凝り固まった「答え」を決めつけない、おしゃれなドラマ
「坂元裕二の脚本作品に松たか子が主演する」。放送前からすでに、この情報だけで今作は必ず見たい、と思わせるパワーがあった。ドラマ「カルテット」(2017年、TBS系)以来のタッグとあって注目されたスタートだった。
物語の展開は、とわ子と元夫がなぜ離婚に至ったのか、この先とわ子が“結婚”という道を選択するのかという大きな軸はありつつも、最終的には「そんなことより、大豆田とわ子は最高ってことだよ」と人生を全肯定してくれる人々と暮らす心地よさを描いており、結論を決めつけない、多様性にあふれる現代の空気に寄り添った作品として共感を得た。
ドラマの演出にもファンがついた。「―ドラマアカデミー賞」監督賞の視聴者コメントには「とわ子のタイトルコールなど仕掛けが楽しかった」「おしゃれな世界観にうっとり」などの好評価が並んだ。松が演じる自然な形のコメディエンヌぶりや、独特なハスキーボイスが見事にマッチした伊藤沙莉のナレーションも「作品を盛り上げた立役者の一人」と話題に事欠かなかった作品と言えるだろう。
DVD&Blu-rayでしか見られない!とわ子と三人の元夫の“ワチャワチャ”
11月5日(金)に発売されるBlu-ray&DVD-BOXには、和気あいあいとした撮影の裏側がたっぷり詰め込まれたロングメーキング集が収録されている。1人の女性とかつて結婚していた男性3人が集まれば、修羅場のような空気になることも予想されるが、今作ではまるで異なる。松田、角田、岡田が演じる元夫らは、別れた後もとわ子のことが大好きな男たち。とわ子が投げるボーリングのジェスチャーでピンに扮した3人がゴロゴロと転がっていくようなおかしなシーンが多々あり、そのメーキングなども必見である。
他にも「大豆田とわ子と三人の元夫×脚本・坂元裕二 座談会」では、出演のオファーを受けての感想や、それぞれの印象的なシーンについて語られ、「登場人物の名前についての裏話」「最初は違うキャラクター設定だった」など創作の裏側も明かされる。「坂東祐大×STUTS音楽家対談」や「スタッフインタビュー」、第1話を観ながら撮影を振り返る「松たか子×岡田将生×角田晃広×松田龍平によるオーディオコメンタリー」があり、本編は放送版からキャストのアドリブシーンや未放送シーンを追加したBlu-ray&DVDオリジナルディレクターズカット版という特別仕様だ。
「とわ子たち、どこかで元気にしてるかなぁ」と思っていたファンを満足させるBlu-ray&DVD。ことしの話題作をこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。
TCエンタテインメント
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