――今回の映画は、まずテーマを共有することが大切だったと思います。どのように理解を深めていったんですか?
まずクランクイン前に、監督と片山ちゃんと3人で会って話すということが何回かありました。僕はこの作品に入るまで、トランスジェンダーについてほとんど知識がなかったのですが、監督自身が当事者ということでいろいろ教わりました。それから、トランスジェンダーの方が集まるバーで、実際のカップルの方にお話を伺ったりもしました。
――坂東さんの中で、これは聞いておかなければと思ったことは?
コンプレックスについてですね。生まれた体と性が異なることについてのコンプレックス。僕自身も自分の体のコンプレックスを見つけて、そこについて監督と赤裸々にディスカッションすることで理解を深めていきました。それから、女性の体を隠して生活することを理解するために、皆さんの経験を実践したりもしました。生理用ナプキンを1人で買いに行ってみたり、ブラジャーをつけて生活してみたり。電車に乗ったときに人目が気になるのか?などと実感することで、セックスを拒むシーンも、うそなく反射的に動けたように思います。うそになってしまうと当事者の方に失礼になってしまうので、映画「閉鎖病棟―それぞれの朝―」(2019年)のときもそうでしたけど、準備段階で自分にできることはしておくように心がけていて、今回もそうしました。
――トランスジェンダーの方を演じることに、最初は戸惑いましたか?
不安はありました。骨格的な問題とか、声とか、顔とか。どこまで真実味を持たせられるか不安だったので、体重を落として、できるだけ太い部分をなくすことを心がけました。僕の声は、男性ホルモンを打って治療している方の声にすごく似ているそうなんです。先ほどのバーの皆さんに「私たちと一緒の声だから、絶対できる」と言われて、自信になりました。それから、顔も中性的だと監督が言ってくださったので、最初は躊躇があったといえばありましたが、演じてみたいという気持ちの方が大きかったです。
――演じる際に気をつけたことは?
今回の映画では結婚や子供を持つために乗り越えなければならない試練が描かれていますが、根本的なテーマは愛で、それは僕自身が人を思う気持ちと同じ。その部分とLGBTQの部分は別にして考えました。そこを一緒にしちゃうと、人を好きになる気持ちの部分がややこしいことになってしまうので、純粋にユイの素敵なところを見つけて愛しました。理屈ではなく愛するということを直球で演じたかったんです。
2022年1月14日(金)より新宿シネマカリテほか全国随時ロードショー
■坂東龍汰
公式HP:http://dongyu.co.jp/profile/ryotabando/
公式Twitter:@bando_ryota
↓WEBザテレビジョン特設サイトはこちら↓
↓↓坂東龍汰の美麗グラビアを「WEBザテレビジョン」で配信中!↓↓