音楽活動を仕事にすると決めるまでは、他人任せで毎日を過ごしてきた気がします
――これまでもデビュー曲である「inside you」など、ドラマ主題歌を担当されていますが、ご自身と制作サイドで思いにギャップがあったこともありましたか?
「そうですね。ドラマ主題歌をはじめタイアップのついた楽曲では、必ずしも自分の意見が通ることはなくて、客観的な視点から別のものが選ばれることもあります。でも、それによって多くの人に響く楽曲は何かを勉強できましたし、また自分の表現の引き出しが増えるような感覚も生まれる。いろんなことにチャレンジできる機会を与えていただいているというありがたい気持ちが強いです」
――何事も吸収しようとするポジティブな意識は素晴らしいですね。
「特にドラマの主題歌は、細かいリクエストをいただくことも多いので、大変ではあるのですが、その要望を一つ一つクリアしていく作業はゲームをしている感覚に似ていて、最後には充実した気持ちになります。また、何か情熱を持って仕事に取り組んでいる方々の中に入って一緒に何かを作ることは、とても刺激になりますね」
――「Walkin’ In My Lane」でも、どんな困難な課題もポジティンブに昇華させ、自分だけの道を築いていく、情熱的で輝いたmiletさんの姿を感じることができました。
「自分の好きなことを仕事としてやらせていただいても、常に笑っていられるわけではない。でも、そこを飲み込んで笑わなくてはいけない葛藤を抱える瞬間もあります。それでも、自分の決断した生き方なのだから、その道を進んでいく。私は私のやるべきことをやっていくという決意をこの楽曲で表現できたのかなって思います」
――音楽があるからこそ、強い決意を持ち続けられる?
「音楽活動を仕事にすると決めるまでは、他人任せで毎日を過ごしてきた気がします。でも、活動していくうちに、自分の行為一つ一つに責任を負わなくてはいけないという気持ちが強くなっていったというか。最終判断を自分でする機会が、いろいろ増えてきたと思います」
――ではもしドラマの主人公の佐都のような状況になったら、miletさんはどう決断、対処されますか?
「う〜ん、自分に置き換えて考えると悩むところですよね(笑)。佐都には、とても優しいお母さんがいて、いつでも実家に戻ることができるのに、愛する人との生活を選んだばかりにとんでもない試練の日々が待ち受けることになってしまう。私は、きっとすぐに逃げ出したい気持ちになるのかも。でも、心から愛する人と生きられるのならば、試練を選んでしまうのかなって。でも、その前に旦那の健太さんがしっかりフォローしてあげてよ!って思いますが(笑)」
――ちなみに。ドラマをご覧になられて制作されたのですか?
「残念ながらドラマを拝見できずに制作していたのですが、原作や台本に目を通すたびに主役の土屋太鳳さんの顔が頭に浮かんでしまって……あんなキュートな人がひどい仕打ちを受けるなんて!ってオンエア前から心を痛めていました(笑)」
――この楽曲のミュージック・ヴィデオはどんな内容になっていますか?
「大雨のなかで撮影したシーンもあって、青春な雰囲気を味わっていただけるのかなって(笑)。また、人と寄り添うことの大切さを感じてもらえるのではないかとも思いますので、ぜひチェックしてください」
Walkin‘ In My Lane
ソニー・ミュージックレーベルズ 1200円(通常盤)
収録曲●Walkin‘ In My Lane/Love When I Cry/My Dreams Are Made of Hell
みれい=思春期をカナダで過ごし、2018年から本格的に音楽活動をスタート。2019年3月、ドラマ「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」オープニングテーマ「inside you」でデビュー。さらに「偽装不倫」の主題歌を担当し話題に。2021年8月に東京2020オリンピック閉会式で歌唱、さらに2年連続でNHK紅白歌合戦にも出場した
公式HP
https://www.milet.jp/