清塚信也が目指すのは「没頭7割、冷静3割」
真彩：私だったらお芝居をしている時や歌う時に没頭する瞬間みたいなのがあり…。よくスポーツでもゾーンに入るという言葉が使われていますが、清塚さんは弾いている時に冷静な自分がいる派ですか？それとも没頭してしまうタイプでしょうか？
清塚：私の場合、心掛けているのは、没頭が7割で冷静が3割ぐらい。そのバランスが一番いいんですけど、そのバランスを保つのが非常に難しくて。調子が良ければ良いほど、没頭の数値がだんだん膨れていっちゃうんですけど、そうすると案外、感動が薄まっちゃう時もあるんですよね。自分ばっかり感動してて…。お客さんの立場になったり、視聴者の立場になってみるというのが大切だと思うのですが、それが難しいですね。冷静は3割ぐらいがちょうどよくて、4割になると今度はすごく作為的なものになっちゃって…。
真彩：なるほど、なるほど。
清塚：それが伝わっちゃうんですよね、結構。人間って面白いもので、笑いもですし、感動だったりもですが、感情を人に与えるのって相手のガードがすごく高いんですよね。宝塚もそうだと思うのですが、好意的なファンの方はガードが低いけど、通りすがりの方とかは…。テレビは特に多いですよね。通りすがりに立ち止まってくれた方って、「ちょっとやそっとで笑ってたまるか」みたいな。
そういう方が「あ、笑わせにきた！」って感じたらさらにガードが高くなる。だから自然にやるのが一番いいんですけど、そこのバランスがすごく難しいですよね。
真彩：やっぱりテレビで見たときに、「あ、清塚さんが弾いていらっしゃる」と思って、ご覧になる方は多いですよね！ でもその見ようと思う判断って一瞬ですよね。
清塚：そうですよね。
真彩：じーっと見て、「じゃあずっと見るか」というよりは、パッと目に入ったり、音が聞こえたから止まる、みたいな。それは、誰にでもできることではないと思います。
清塚：そうですかね？ そうだとうれしいですが。
真彩：本当に素晴らしいです。素晴らしいですとか言ってすみません、私自身も一ファンなもので…(笑)。
