映画監督の顔も持つ女優・辻凪子「監督としても女優としても、自分オリジナルのシチュエーションコメディーをテレビ番組でやりたい」
大学在学時に“朝ドラ”に出演 監督した短編映画が海外映画祭で上映も
――WEBザテレビジョンでは初インタビューですので、まずは辻さんご自身のお話から伺いたいと思います。プロフィールには東住吉高校芸能文化科(大阪)のご出身とありますが、小さい頃から女優を志していたんですか?
小さな頃からテレビが大好きで、留守番してるときは幽霊が怖くて背中を壁につけてずっとテレビの前にいる子供でした(笑)。大阪生まれということもあってコメディーが好きで、お笑い芸人さんとMr.ビーンが好きでしたね。
人前に立ったら恥ずかしくて泣いてしまうような内気な子供だったんですけど、“人を楽しませる人”に憧れがあって、中学校のときに何でかは忘れましたけど、全校生徒の前で「桃太郎」の犬役をやったことがあったんです。
恥ずかしいかなと思いながら着ぐるみを着て、でも役に入ったら全然恥ずかしくなくて。600人くらいの前で堂々とセリフを言ったら、私のその一言で会場に爆笑が起こって、それがきっかけで、内気な性格だけど役をかぶったら人前に立てるんだっていうことに気付きました。
それで、女優になりたいということはみんなには内緒のまま、芸能文化科があった高校を受験しました。決めたのは受験1カ月前で、何とか受かりました(笑)。普通の高校とはちょっと違って、授業の1/3は芸能のことを学ぶ高校で、同級生も芸能の世界を目指してたり、裏方を目指す子もいましたね。
お芝居以外にも落語とか三味線の授業があって、落語は専攻して3年間学んで、実際に大阪の寄席に出たりもしました。あと、性格もお芝居を始めてから見違えるように変わって、めちゃくちゃ行動力が出て、休みの日は映画とか舞台を見に行ったり、すごく活発になりました。
――その後、京都造形芸術大学の映画学科俳優コースに進学したんですよね。
高校までは舞台しかやってなかったんですけど、テレビを見たら同い年の女優さんがめちゃくちゃ活躍してて「何で?」と思って。今のままだと私はそこに行けないんだ、もっと先に行かないといけないんだって気付いて、映像も学ばなきゃいけないと思ったんです。
でも、「高校を卒業したら東京に行きたい」ってお母さんに言ったら、「お金ないからあかん!」って言われて(笑)。それでいろいろ調べたときに、京都造形芸術大学の映画学科を見つけて、オープンキャンパスに行ったら黒木華さんが卒業生だということを知って。
年に1回プロと学生が本格的に劇場公開作品を作るっていうプロジェクトもあって、それなら私もここでいろいろできるかなと思って受験しました。