「ありのままの自分を見つけるきっかけになったらいいな」
――最後に、どんな方に作品を見てもらいたいですか?
鈴鹿:僕の父母世代の方にも、同世代の方にも、中高生にも見てもらいたいです。見てくださる方の世代や環境で見る視点が変わってくると思います。
“夏のひと時”という部分ひとつを取っても、これからの夏が楽しみな人もいれば、あの夏が良かったな…と感じる人もいて、その人ごとの物語になってくれると思うので、みんなが面白く見られる作品になっているはずです。
塔野カオルと花城あんずの2人の物語ではありますが、捉え方はさまざま。見てくださった方一人一人の物語になると思うので、その良さが伝わればいいなと思います。
飯豊:これから夢を見つける人もいれば、本当に孤独で何も手につかないという人もいる中で、欲しいものが手に入る「ウラシマトンネル」を舞台にした作品が、ありのままの自分を見つけるきっかけになったらいいな、映画を通して孤独な自分が少しでも救われたらいいなという風に思っています。
「過去の思い出があったから今がある」と、ありのままの自分を肯定してくれるような、寄り添ってくれるような作品だと思いますし、ファンタジーで不思議な世界観ですが、「何かを得るためには何かの代償がある」という現実との“離れすぎていない具合”が、受け入れてもらいやすいのではないかなと思っています。
今目の前にあるものに悩んでいる方の希望になったらうれしいです。そして、過去ばかり振り返って前に進めない人と、この作品が繋がったらいいなと思います。