荒牧慶彦、『2.5次元』業界の成長と共に歩んだ10年「メインフィールドはずっとここでいたい」
事務所独立後は「大人になりました」
──そして独立後の今が第3章。フリーになって、会社を立ち上げて……と、もちろん環境の変化はいろいろあると思いますが、ご自身にはどのような変化が起こりましたか?
大人になりました。ありがたいことに事務所所属のときは俳優業に専念させてもらっていたので、独立してから、いかに自分が多くの人に支えられていたかということに気づきました。もちろんわかってはいたつもりだったんですよ。でもそれ以上のことをやってもらっていたんだなということに気づけて。その気づきを役者業にも還元できるようになりました。
──とはいえ俳優としては、役者業に専念しているほうがやりやすいですよね?
もちろんやりやすいです。でもそれだと自分自身の解釈として浅い気がして。いろいろな人の想いを背負ったほうが深くなるんじゃないかなと、今は思っています。もちろん、俳優業だけに専念したいと思ったことは何十回もあります。でもいろいろな人の想いを知っているからこそ、役にも還元できるんですよね。例えば泣く芝居をするとしても、悲しさにはいろいろな種類がある。自分が持っていない種類の感情を、いろいろなスタッフさんの想いなどから補填できるというか。僕にとってはそういう感覚です。あとは仕事がどう回っているかを知れたことも大きかったです。
──第3章で印象深かった役や作品を挙げるなら?
『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage シリーズの白膠木簓ですね。自分にとっては挑戦的な作品だったので。正直、最初はやるべきかめっちゃ悩んだんですよ。
──荒牧さんが出られると知ったときは驚きました。
そうですよね。ファンの方も荒牧がやるとは思っていなかったと思います。ラップも、カラオケで遊びでやってみたことはありましたけど、本格的にやったことはなかったですし、簓は関西人だし、お笑い芸人だし。それでも「荒牧に任せれば大丈夫だよ」と言ってくださる方が多かったのでうれしかったですね。実際、演じていてもすごく楽しいキャラクターなんですよ。簓はすごく自由なキャラクターなんですが、僕自身もアドリブが好きなので。そういう意味ではハマり役だなと思います。
荒牧慶彦 俳優デビュー10周年記念公演「殺陣まつり~和風三国志~」
2022年12月15日(木)~18日(日) 東京・明治座公式サイト
https://www.meijiza.co.jp/info/2022/20221204/
東宝
キングレコード
発売日: 2023/02/01