大悟が戻ると、有希はさぶが加奈子に手を上げていると話し、帰宅後、その集まりでの様子を詳しく伝えた。第4話からさぶをはじめ、供花村の人たちの異常さが目立つようになってきたが、第5話ではさらに加速していて、大悟が祭りの練習に遅れると、さぶが「何しとった?」と問い詰め、他の者も「この前、誰かと電話しとった」と、大悟の行動にいちいち口を挟んでくる。大悟でなくても“めんどくせえ”と言いたくなる、不快な状況だ。大悟が家に垣根を作ろうとすると、“信用”という言葉を使って、作るのを阻止したり、家に鍵をかけることも必要ないみたいなことを言ったりしていたが、さぶの加奈子へのDVについて確認しに行くと、がっちり鍵をかけて大悟を中に入れないという矛盾に満ちた行動も見せていた。
こういう時に頼りになるのは有希。ポツンと一人でタバコを吸っている加奈子に近づき、かつてストーカー被害に遭った時に担当刑事だった大悟が守ってくれた話をした。夜になって、意を決して家を抜け出し、駐在所に加奈子がやってきたのは、有希の言葉が背中を押したからだろう。
第5話は、銃撃戦や残忍な暴力シーンなどはないが、さぶを筆頭に村人の“本性”、そして着実に“核心”に近づく展開となった。大悟と京介、宇多田、加奈子らによって謎のベールがどう剥がされていくのかが楽しみだ。
◆文=田中隆信
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