姿が見えずとも口笛だけ聞こえる…こだわりの演出秘話
――これまで放送された中で最もこだわったシーンを教えてください。
直木が見えるカットと、見えないカットの使い方を意識しています。ある程度ルーズなショットに直木は映らないという約束のもと作ってきたので、直木はウエストショットあたりから映るようにしています。
第4話で、悠依が橋の上でしゃがみこんで泣いてしまっているシーンで、直木の口笛だけが聞こえてくる場面があるのですが、そこで初めて直木はいるんだけど映さないというシーンをやってみたんです。すごく切なく撮れて良かったなと思っています。
――今作で悠依と直木のコミュニケーション手段として“口笛”が登場しますが、どういった経緯で口笛を選んだのでしょうか?
(幽霊は)物に触れないということは、重力のあるものが得意じゃないとすると、一番動かしやすいものは空気かなと思って。でも、風だとハッキリしないので、最初の段階から安達さんに「口笛がいいんじゃないですか?」と話していたんです。
――マカロニえんぴつが歌う主題歌「リンジュー・ラヴ」は本作のために書き下ろした新曲です。実際にドラマに主題歌を乗せてみての感想はいかがですか?
歌詞を読めば読むほど、寄り添ってくださっているなというか、先に行っているというか…「元気でいてね」という歌詞が泣けるんですよね。
基本的に暗いドラマになりたくないなと思っているので、そういう意味も全部ひっくるめて、ありがたいなと感じています。
――第4話で初めて流れたバラードバージョンも話題になりました。
そうですね、バラードバージョンがギリギリ間に合ってよかったなと思っています。(第4話)の2日ぐらい前に完パケをもらい、第7話でも使いました。
原曲も大好きなのですが、少しポップな部分もあるので本当に悲しいシーンではバラードバージョンがいいなと思い、第1話を作るタイミングで「試しにどうでしょう?」と頼んだら作ってくださったんです。
――バラードバージョンの反響はいかがでしたか?
最初の音から違うので、皆さんすぐに気付いてくださって。(マカロニえんぴつのVo&Gt)はっとりさんも、曲自体は1分20秒しかないのですがアルバムにも入れるとおっしゃるくらい、気に入っていると伺っています。