「全部夢だったらいいのに」と願う悠依が見たものは…
“思い残し”がなくなれば、成仏する。その時が来てしまった。ファンタジックでいて、切ない別れだ。
後日、悠依を心配して呼び出した譲は、「最後、あの時、直木さんは、あなたに何も言わなかったんじゃないですか?」と問い掛けた。悠依はうなずき、「もちろん面と向かってちゃんと伝えたいこと伝えてお別れできたら素敵だけど、でも、ちゃんとしたお別れなんてないのかも。たぶん、みんなこんな感じで生きていく」と語った。
悠依の言葉は真理であるように思える。大切な人との別れは覚悟していても辛いが、“その時”は突然やってくることのほうが多いのではないか。その時にどれだけ言葉を交わしても、事足りることはないかもしれない。しかし、悠依にとっては言葉がなくても分かり合えていたという思いもあり、歩みだそうとしているのは、切ないが、よかった。直木の言葉として莉桜(香里奈)に伝えた「無事でいることに罪はない」ということも深く響く。
そんななか、ラストは驚きの展開に。「毎朝、目が覚めた時、思う。全部夢だったらいいのに」という悠依のモノローグで始まった場面。物音に気付いた悠依が寝室を出ると、キッチンで直木が朝ごはんの用意をしていたのだ。
会話も触れることもできる直木。幽霊間のうわさ話で誰かの体をもらうと生き返ることができるというのもあったが、「だって彼、人の体奪うとか、そういうことする人じゃないでしょう」と譲が言っていたように直木がそうするとは思えないが、何らかの奇跡が起きたのか。もしくは、成仏する前に一度だけ現世に現れることができる“ボーナスタイム”なのか。
SNSも「どういうこと???」「蘇ったの?」「ドンデン返し!?」とざわつき、もらい泣きしたそれまでの切ない展開への反響と共に「#金ドラ100よか」がTwitterのトレンド入りした。
次回、3月17日(金)放送の第10話が最終回となる。
◆文=ザテレビジョンドラマ部