染谷将太が見せた、役の魅力を高める圧巻の演技
「一人で耐えるしかなかった長い時間。そのときの匂い。誘拐犯を前にした恐怖、悲しみ。母親への思い。君は今でもその犯人が憎いんじゃないのか。その怒りをどこにぶつけたらいいのか分からないんじゃないのか」。
閉じ込めていたつらい記憶を思い出させようとする風間の言葉を聞いて、中込は「ふざけんな!」と言って部屋を飛び出した。
内包していた闇の部分に向き合わされることになった中込の恐怖心が一瞬にしてあらわになった。荒い息遣い、手の震え。俳優としてオファーが絶えず、たくさんの出演作で役と真摯に向き合って存在感を放ってきた染谷の演技力が鮮烈に発揮された。その演技力によって、中込というキャラクターの魅力が高められる。
「#教場0」がトレンド入りしたTwitter上には、「染谷さん相変わらずいい味出てるな~」「染谷君のお芝居は圧巻」「期待を裏切らない、染谷くんの演技」「染谷くんやっぱすごい人」と多数の称賛が寄せられた。
染谷と共に、認知症を患う母・ふきを演じた余貴美子もさすがの演技だったが、彼女の「息子はどこにいますか?」という言葉は、中込がかつて誘拐されていたことが分かったあとでは、また違った意味を持っているのではないかと思われた。
次回、6月12日(月)放送の第10話では、事件を通して中込は自身が抱える問題に向き合っていくようだ。
※濱田崇裕の濱は旧字体が正式表記
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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