自身の才能にも「見る目のなさ」を発揮
数多くの舞台を観劇する中で、やがて俳優の道を志すようになった松重は大学生時代、三谷幸喜が主宰する「東京サンシャインボーイズ」にも参加した。だが、ここでも「見る目のなさ」を発揮する。「この人には才能がない」と感じ「ああ、この人についていくと僕はたぶん人生がダメになるな」と見切りをつけて離れてしまったのだ(「星野源のオールナイトニッポン」2020年11月3日ニッポン放送)。
明治大学を卒業する際、先生に紹介されて蜷川幸雄が主宰する劇団に入団する。「昨日より努力して、進化していないとダメだろう」と徹底的に鍛えられた(「サワコの朝」2014年12月13日TBS系)。3年で蜷川さんとぶつかり退団しフリーで活動を始めるも、自分は役者には向いてないと一度足を洗い建設現場で正社員として働いていた時期もあった。つまり、自分の才能に対しても「見る目がなかった」のだ。やがて復帰した松重は1992年に黒沢清監督の映画「地獄の警備員」で主演。強烈なインパクトを与え、映像作品に進出していった。
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