――アニメと実写映画の吹き替えは、そもそも違うものだと思いますが、押井監督もしくはアニメ版の吹き替えのディレクションと本作の吹き替えのディレクションで、声を演じる上で、どのような違いがありましたか?
田中:アニメーションでは監督がトップにいてキャストと監督の間に演出をする音響監督がいるんですが、実写では既に出来上がった作品にあてる形で音響監督がトップにいるんです。今回の音響監督はアニメーションの時とは別の方だったんですが、スタッフ・キャスト全員でディスカッションする形での収録でした。中でも日本語吹き替えならではの制限というか、呼びかけや言葉遣いによって人間関係が分かったりするのでその辺りは一番気を使いましたね。トグサは少佐に対しては敬語・丁寧語を使うとか、普段は「荒巻課長」と呼びかけないけど、ストーリーの展開上「荒巻課長」と言っておかなきゃいけないこととかもあって、そこはみんなで考えながら作っていった吹き替え版だったなと感じました。
――ご担当されたアニメがハリウッドで実写化され、さらにその作品の吹き替えをするというのは初めての経験だったと思います。今後日本のコンテンツのハリウッド実写化の企画が発表されているので、どんどんその経験をする声優さんも増えるかもしれません。田中さんご自身は、この経験は、どのように感じていますか?
田中:すごく不思議な体験でした。日本発の原作作品がハリウッドで実写化するというのは、この作品が長い間支持されて世界中に影響を与えていることの証ですし、その吹き替えを他の誰でもない自分が担当するというのは奇跡的なことだと思います。特に今回うれしかったのは「ゴースト・イン・ザ・シェル」にオリジナルキャストで出演することになったことに対して声優業界の皆さんがとても喜んでくださったことがすごくうれしかったです。自分にとって素子という存在は一番近い存在でもあり遠い存在でもあり、素子が私を選んでくれたと感じるんです。
――今回ハリウッドで実写化されたことにより「攻殻機動隊」シリーズを知らない新しい層にも多く視聴されましたし、DVDリリースすることで、さらに幅が広がります。まっさらな方々に、この映画に興味をもってもらうための、PRを1~2言お願いします。
押井:攻殻機動隊シリーズを見たことがある人は映像のディティールの表現に注目してもらえばいいと思うし、シンプルながら力強い作品なので見たことがない人こそ楽しめるしオススメです。
田中:ハリウッドのミラクルが詰まった作品で、素敵なエンターテイメント作品に仕上がっています。日本語吹き替えには大塚明夫さん、山寺宏一さんといったアニメーションの時のオリジナルキャストが参加しています。ぜひご自宅でお楽しみください。
8月23日(水)発売
・ブルーレイ+DVD+ボーナスブルーレイセット
3990円+税[3枚組]
・【数量限定生産】『ゴースト・イン・ザ・シェル』&『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』ブルーレイツインパック+ボーナスブルーレイセット
7590円+税[3枚組]
・4K ULTRA HD+ブルーレイセット
5990円+税[2枚組]
・3Dブルーレイ+ブルーレイセット
5990円+税[2枚組]
【HP】http://paramount.nbcuni.co.jp/ghostshell/