トレンディドラマ俳優として大ブレイク
大きな転機になったのが舞台「ボーイズレビュー・ステイゴールド」への出演だった。このままでは表舞台に出る役者になれないと感じた唐沢がクラブを離れ掴んだ仕事。このとき、彼が最大の恩人と称す三生社・社長の橋爪貴志子と出会う。
奇しくも唐沢少年に俳優のスゴさを実感させた橋爪功の最初の妻である。彼女は唐沢に天性の華を感じたのだろう。当時、素肌に革ジャンなど男臭い格好をしていた唐沢に、爽やかなチノパンとポロシャツを渡し、これを着てオーディションに行くように指示した。
するとそれまでほとんど落ちていたオーディションに合格するようになった。そのひとつが朝ドラ「純ちゃんの応援歌」(1988~89年NHK総合)だ。25歳だった唐沢はイガグリ頭の高校球児を演じ、その好青年っぷりが大きな話題となった。そして1992年、「愛という名のもとに」(フジテレビ系)でトレンディドラマ俳優として大ブレイクを果たすのだ。
泥臭いアクション俳優の世界で育った唐沢にとって、トレンディドラマの世界は自分とはまったく違うものだと思っていた。だが「自分でこうなりたいってことよりも周りで見ている目のほうが正しいんだ」(「ボクらの時代」2014年9月7日フジテレビ系)と考えるようになり「それ以来、衣装合わせとかで自分で衣装を選んだことは一度もない」(同)と言う。
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NHKエンタープライズ