求めたのは「視聴者の皆さんにもなじみがあり、日曜劇場を背負っていただける人」
――神木隆之介さんのキャスティング理由について教えてください。
野木:神木さんはちょうど30代前半で、若者の青春を描くドラマにはちょうど良い年齢でした。本作では70年の時間軸を描くこともあり、40歳の方に20代を演じてもらうのはさすがに難しいと思っていて。
神木さんにお願いしようと決めたのは連続テレビ小説「らんまん」(2023年、NHK総合ほか)の放送前でしたが、日曜劇場を背負えるだろう期待もありました。
塚原:そうそう。30代前半で、視聴者の皆さんにもなじみがあり、日曜劇場を背負っていただける人、という難しいキャスティングでしたが、その中で神木さんが私たちのイメージにピッタリだったんです。
――神木さんの一人二役という設定はどのように生まれたのでしょうか?
野木:塚原さんから「現代のストーリーを入れてほしい」という話があったときに、過去を振り返る構成なら一人二役のほうがいいのではないかなと思ったんです。
過去と現代、それぞれに別の主役ができてしまうのも違うなと…。神木さんなら一人二役できそうという他力本願な気持ちもありました(笑)。
過去パートでは、神木さんのイメージに近い、明るく真っすぐな鉄平を演じていただくので、現代パートでは神木さんが今まで演じていなさそうな役にしたく、ホストという設定にしました。
――実際に神木さんの演じ分けをご覧になっていかがですか?
塚原:撮影現場では、いつもすごく柔軟に対応されています。二役を演じるというのは、どちらのキャラクターも自分の中から引き出さなければならないので、器用に分けなければいけない難しさがあります。神木さんはそういった面も非常にお上手。
もしかしたら苦しんでいることもあるかもしれませんが、そういった素ぶりは一切見せずに楽しそうに演じてくださっていて、そんな座長についていくのがとても楽しいです。