大先輩・神木隆之介&宮本信子との共演が刺激に
――演じている役どころについて教えてください。
僕が演じるのは神木さん扮する玲央の後輩で、ライトというホストの役です。玲央は力の抜けた感じが絶妙で「こういう人、いるよな」と思わせる雰囲気を神木さんがお芝居で醸し出していて、さすがだなと。
そんなゆったりとした玲央とは対象的に、僕が演じるライトは明るくおしゃべりな性格。クランクインの日は、歌舞伎町の階段でただスマートフォンを見ながらしゃべるというシーンだったのですが、監督からはキャラクターを作るというより、自然体で演じてほしいと言われました。
若者がスマートフォンを触りながらしゃべるときに、会話にだけ集中するわけではないから話が途切れ途切れになることがあると思うのですが、それを表現したいと。僕もそうやって友達と話すことがありますが、普段やっていることをいざ役で求められると、意外と難しいのだと気づきました(笑)。
――役柄で特に意識していることはありますか?
玲央もライトも売れないホストなので、外で女の子に声を掛けて営業をするしかないのですが、人気ホストのようにギラギラしたハングリー精神は持っていないんです。
内藤秀一郎さん演じるミカエルは、同じホストクラブのNo.2なのでとてもギラギラしているのですが、一方僕たちはぼーっと生きている感じ。現代の若者らしい部分も意識しながら演じています。
――役を通してホストという仕事を体験してみていかがでしたか?
ホストの皆さんはメンタルが強いなと思いました。第1話で女の子に声を掛けて振られるシーンがあるのですが、それが日常茶飯事なんですよね。もし自分だったら、無視された瞬間に心が折れちゃいそうだなと(笑)。
――ご自身はホストには向いていないと?
はい、そう思います(笑)。
――ホストの方が撮影現場に監修として来ていたと聞きましたが、参考にしたことは?
道行く女性への声のかけ方を教えてくれました。「君、かわいいね」と声を掛けるだけでは、女性にすぐにホストだとバレて振り向いてもらえないというアドバイスをいただいて。
もっと自然で、確実に振り返ってもらえるテクニックを教わりました。例えば「お姉さん、久しぶり」「お姉さん、ハンカチ落としたよ」といったフレーズです。これは実際に効果があるんだそうです!
――撮影現場の雰囲気や、神木さんとのやり取りで印象に残っているエピソードはありますか?
現場は和気あいあいとしています。端島パートでは重たいシーンもあるかと思いますが、神木さんと僕のシーンは比較的ゆるくて、視聴者の皆さんに和んでもらえるような部分。だからこそ、いつも楽しく撮影しています。
実際に歌舞伎町のホストクラブがある場所でも撮影しているのですが、実際に本物のホストの皆さんがいる歌舞伎町を体感することができて、神木さんとその独特の雰囲気をしみじみ感じた日もありました。
――神木さんとの共演で刺激を受けたことはありますか?
神木さんは1つのスケジュールで二役をこなすので、エネルギーの消費がすごいですよね。時代も立ち振る舞いも異なるので、自分には想像がつかないです。
あとは、神木さんと宮本信子さんとのシーンで、僕が先にその場から出て行く場面があったのですが、その後のお2人の会話がすごく自然でリアリティにあふれていて…。まさに「会話とはこういうものだよな」と感じました。撮影後にはモニターでお2人の芝居をこっそり見て、学ばせていただくこともあります。