フェンシングでの経験は「間合いを見る目が養われた」
――本作を経て、俳優としての面白さや難しさについて改めてどう感じましたか?
役の大小で考えたことはあまりないのですが、いつもどの役でも難しさを感じます。特にこの撮影現場では、自分で考えてやってみたお芝居に「もう少しこうできる」と監督が味付けをしてくださるので、より緊張感があります。
神木さんとのシーンでは、話をしていて少し変な間が空いたり、セリフの話し始めがかぶったりしても、それはリアルでも起こることだからということでカットがかからず続くこともあって。
そういうドキドキもある楽しい撮影現場です。台本どおりに演技をしているというより、本当に“やり取りをしている”感覚があります。
――監督から言われたことに対して、難しいと感じることはありますか?
自分が考えていた演技プランと全然違う方向に舵を切っていただくこともあるのですが、そういうときはリクエストに応えられるよう精一杯奮闘しています。一方で、方向性が同じでプラスアルファを求められたときはやはりうれしいですね。それが役をさらに深めるという感覚なのかなと思っています。
――西垣さんは過去にフェンシングの日本代表を務めたことがあるそうですが、その経験が俳優として役に立ったことはありますか?
フェンシングは相手との間合いを見て、相手が何を考えているかを考え、相手は突けないけれども自分が突ける間合いとタイミングをずっと探す競技なんです。常に読み合っている中で、相手との距離感が一番大事。なので、間合いを見る目は養われたかなと思っています。
俳優としても、相手との物理的な距離感もそうですし、声のトーン、言葉遣いなども含めて人間関係の間合いや距離感というものが出ると思うので、そこは活かされているのではないかな。
――最後に視聴者へのメッセージをお願いします。
この作品は、現代と端島と2つのパートがあって、それぞれがつながりつつも別のドラマのように二度楽しめるところが魅力的。キャストも豪華で、笑いあり涙ありで、脚本が本当に面白いので、純粋に楽しんで見ていただけると思います。今後の玲央とライトのコンビネーションも楽しみにしてください!
◆スタッフクレジット
ヘア&メーク=カスヤユウスケ(ADDICT_CASE)
スタイリスト=藤井エヴィ
◆衣装クレジット
シャツ、フード付きシャツ、ジャケット、パンツ=OVERCOAT
スカート=ACUOD
靴=BUTTERO