「おっさんずラブ」現場で記者が感じたさまざまな“愛のカタチ”【おっさんずラブ連載】
林遣都の切なげな繊細な表情に込められた思い
部長のはるたんへの愛あふれるシーンが続いたこの日、この時点では“ラブ”なシーンを全く撮影していない林さんが、「そういうシーンを僕も早く撮りたい」と思わず言っていたのが印象的だった。
また、別日に田中さんと林さんの対談取材をさせていただいたのだが、写真撮影でソファーに座っていただくようお願いすると、田中さんから林さんに自然と寄り添ってくれた。林さんは少し照れながらも、二人がぴったりとくっつきながら撮影に応じてくれた二人の様子は過去の記事で確認していただきたい。
そして、取材を続けていて、ふとあるときに気が付いた。田中さんとの撮影で戸惑いがちだった林さんと、田中さんとの距離が、いつからかグッと近づいていたのだ。対談の取材は、ずぶ濡れキスの撮影前だったのだが、その後の試写会と会見ではもう二人を隔てるものがなくなったように見えた。
それは、会見の翌日に独占で潜入した第5話の撮影で、ラーメン屋の行列に並ぶお買い物デートシーンでも見てとれた。われわれが現場に到着すると、すでに田中さんと林さんが列に並び、仲良くおしゃべりをしている姿が。その楽しげな様子は、「これはもう撮影始まっているのかな?」と思うほどで、話題は途切れることなく大盛り上がりしているよう。そんな楽しそうな二人だが、撮影が始まるとちょっぴりシリアスモードに。現場では少し離れて見学していたため気付かなかったが、写真を後から確認していたら切なすぎる表情のふたりがそこにはいた。
連載の第3回でも貴島彩理Pが「 “巨根”というせりふも、どうしたら本気で言えるんだろうと相談してくださって。一見キャッチーなせりふだけど、ちゃんと心から言いたいと。同じシーンの『好きだ』という告白の語尾に関しても、これまでの牧だったら『好きです』と敬語なのに、『好きだ』にした意味はあるのかと質問してくれて。こちらの意図をお話したら、すごく考えてきてくださって、あのようなシーンが出来上がりました」と明かしてくれ、それほどまっすぐに役と向き合っていたのだ。
多くの視聴者が幸せを願っているであろう牧になったのは、林さんが演じた牧であるからに間違いないだろう。