佐藤健「愛がなくなってしまったら、僕自身がなくなってしまうのと同じことだと思います(笑)」
一男と九十九は互いに特別な存在
しかし、そうやって突然手にした3億円も、起業して億万長者になっていたはずの親友・九十九(高橋一生)に持ち逃げされてしまう。お金、友情、そして家族とすべてを失った一男は、3億円と親友の行方を求めて、九十九と関係のあった億万長者たちに会っていくのだが…。
佐藤「一男のキャラクターを考えたときに、なぜ一男はそんなにも九十九のことが好きなんだろうと思いました。その答えとしては、九十九は才能はあるけれど、とても変わった奴で、たぶん一男だけが理解してくれたところがあったんじゃなかと思うんですよね。だからこそ、九十九は一男にだけは心を開いていたんじゃないかなと。九十九も一男の持っているピュアな部分を見抜いていたんだと思うし、互いに特別な存在だったんだと思います。そういう相手に出会えるのはなかなかないし、僕はひとりで完結してしまうタイプなので、一男と九十九の関係はちょっとうらやましいところがありますね。もちろん、3億円を持ち逃げされるのはイヤだけど(笑)」
一男が九十九を探す中で出会う億万長者たちを演じるのは、沢尻エリカ、北村一輝、藤原竜也の3人。競馬場のVIP室で億の金を転がしたり、怪しげなマネー教室の教祖をしていたり、自宅に10億円を隠している主婦だったり、それぞれ個性的なキャラクターを演じている。
佐藤「撮影のときは、毎回、違う人の舞台を見に行っているような感覚でした。僕としてはお客さん気分で回っていたので、楽しかったですね。何も考えずに現場に行って反応するだけで、彼らに振り回されている一男そのままですからね。3人のシーンでは大友監督の指示もほとんどなかったし、3人ともかなり自由にやっていたのでは(笑)。きっと映画を見てくださる方にも楽しいと思ってもらえるシーンになったと思います」