主演男優賞は菅田将暉 『ドラマには夢がある、と思えました』【ドラマアカデミー賞】
意識したのは「お客さんにどれだけ集中して見てもらえるか」
――生徒を挑発したかと思えば熱く説教をする、変化の激しい演技が注目を集めました。
結果的に、「この人(一颯)はどこまで本気で、何がしたいんだろう」という興味で引っ張れたのかなと思います。伝えたいメッセージはありつつ、ちゃんとミステリーにしたかったし、エンターテインメントにしたかったので、そのバランスが良かったのかな。
現場としてはドキュメンタリーに近い感覚で演じて撮影をし、それをシンプルにお客さんに見てもらおうと思っていました。一颯は生徒と対峙しているわけですが、僕らの戦う相手は完全に視聴者だったので、その戦いに持ち込めただけでも良かったのかなと思います。
――テレビドラマの見られ方を変えたかったということでしょうか?
僕自身もそうですが、やっぱりドラマを見るとき、どうしても“ながら視聴”をしてしまうじゃないですか。そういうお客さんにどれだけ集中して見てもらえるかということは意識しました。そこは本当に挑戦でしたね、
最近、悔しいけれど、僕たちも、スタッフさんも危機感を抱えています。「これからのドラマ、どうしよう」「ドラマにはもう未来がないんじゃないか。夢がないんじゃないか」というような風潮があるけれど、今回この作品をやってみて、最終的に「夢があるな」と思えたので、それだけでもやった甲斐がすごくありました。そう思えて幸せですね。