5カ月間の猛特訓。「龍星群」の自信のほどは?
舞台上で「龍星群」を生演奏。このアナウンスに原作ファンの心は躍り、その期待に応えるために、役者たちは芝居の稽古と同時に箏の稽古にも励んでいる。しかし、楽器経験のある者はいても、箏に関しては皆、初めて触れる初心者だったといい、これはちょうど愛(財木琢磨)たちが箏曲部に入部したときの姿に重なるところでもある。そこで組まれたのが、芝居稽古に先立つ箏の猛特訓。「お箏の稽古だけで今年1年の半分が終わりました(笑)」と田中日奈子が振り返るように、今年の2月からスタートして約5カ月間、稽古を積んできた。その成果はあり、取材前に弾いてくれた演奏はよどみなく、音色は驚くほど強く、重かった。
田中日奈子:私も初めて聴いたときは驚きました。さとわちゃんが弾く箏は十七絃で、音の強さはそれもありますね。調絃にもよりますが、愛たちの十三絃は絃が細くて薄いから、少し軽めできれいな音が出るんです。対して十七絃は音幅が広くて、音色は重いです。絃の太さが全然違うんですよ。
絃は番号で太くなっていく仕組みで、十三絃だと15番くらい。それが十七絃だと80番を超えて、ちょっと桁がおかしいんです(笑)。その分、音の響きは低くて、大人っぽい音色ですね。
──絃が太いということは、指の力も要るということですよね。
田中:それはもう。最初は“ペンペン”という感じでした(笑)。絃は新しいものほど張りが強く、今本番用の新しい箏に代わったばかりなので、絃に指が負けちゃってるんですよ。本番までにきれいな音にしないといけないので、ここからもっと練習していかないと。
──「龍星群」は弾けるようにはなっているんですか?
田中:大丈夫です! 特訓しましたから。
──では、自信のほどは?
田中:うわあ、そう言われると(苦笑)。もちろん「ある」と言いたいんですが、いかんせん10回弾いたら10回全部が違う出来上がりになってしまうので、本番では一番完成したものをお聴かせできるようにしないとダメだと思っています。
2019年8月17日(土)~25日(日) 東京・全労済ホール/スペース・ゼロ
2019年9月7日(土)、8日(日) 福岡・ももちパレス
2019年9月14日(土)、15日(日) 大阪・森ノ宮ピロティホール
<キャスト>
久遠愛:財木琢磨
倉田武蔵:古田一紀
鳳月さとわ:田中日奈子
足立実康:塩田康平
堺通孝:小島ことり
水原光太:上仁樹堺
高岡哲生:小沼将太
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