「プリキュアの“王道感”、“お約束感”は、東映のお家芸なのかなと」
──片桐さんから見て、16年の長きにわたって続いている「プリキュア」シリーズの一番の魅力は、どこにあると思われますか?
片桐仁:やっぱり、子ども向けのアニメとして“王道”なところじゃないですかね。
例えば、「仮面ライダー」って、シリーズを重ねていくうちに、いろいろ奇をてらって、ちょっとやり過ぎなところも出てきたりするじゃないですか。そこがまた僕ら大人のファンにはたまらないんですけど(笑)。その点「プリキュア」は、一応女の子向けですけど、ストーリーも奇をてらわず、男の子でも全然楽しめる展開ですし、戦闘シーンなんかもすごくかっこいいんですよね。今の男の子向けのアニメって、逆にあそこまで王道のアクションシーンは少ないんじゃないかな。
あと、主人公のキャラが必ず自分の名前を名乗ったり、必殺技を繰り出すときに技の名前を言ったり。あと、技の名前を言ってる間、敵がちゃんと待ってくれてるのもいいですよね(笑)。そういう王道感というか、お約束感は、時代劇や特撮ヒーロー物を作ってきた東映のお家芸なのかなと。
今回の映画も、不思議な生き物との間に友情が芽生えて、それを狙う悪いヤツらが現れて、一回負けそうになるんだけど、最後は歌の力で暴走を食い止める…っていう、ベタなんだけど、だからこそ骨太なストーリーになっていて。面白くならないわけがないんですよね。「プリキュア」のことを知らなくても絶対に楽しめますよ。
──「プリキュア」の劇場版と言えば、映画館で観客の子どもたちがミラクルライトを振って、プリキュアを応援するという、今流行りの“応援上映”の先駆け的な作品でもあります。
片桐:そうみたいですね。見るというより、“参加する”という感覚ですよね。しかも親子で参加できるっていう。
冒頭から「映画を見に来てくれて、ありがとう」っていうセリフで始まるし、途中で「プリキュアがやっつけられちゃうかも」ってハラハラさせておいて、子どもたちの「頑張れ~!」の声で逆転する、みたいな展開もあるし。もはや、れっきとした“ショー”なんですよね。僕も、もし娘がいたら、絶対に映画館に見に行ってると思います。
――では最後に、「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」を楽しみにしている皆さんへ、メッセージをお願いします。
片桐:本当に心が洗われますし、見終わった後に、すがすがしい気持ちになれる映画です。老若男女を問わず、多くの方々に見に来ていただけたらうれしいです。
全国東映系にて公開中
<スタッフ>
原作:東堂いづみ
監督:田中裕太 脚本:田中仁
音楽:林ゆうき、橘麻美
総作画監督・キャラクターデザイン:小松こずえ
作画監督:松浦仁美、中谷友紀子 美術監督:今井美紀
CGディレクター:大曽根悠介 色彩設計:竹澤聡
撮影監督:高橋賢司 製作担当:澤守洸、井桁啓介
<キャスト>
成瀬瑛美 小原好美
安野希世乃 小松未可子 上坂すみれ
木野日菜 吉野裕行
咲野俊介 片桐仁 濱津隆之
石川由依 駒木根隆介
知念里奈
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