「2度あることは3度ある」3回目の大河ドラマ脚本を務める三谷幸喜が意気込みを語る!<鎌倉殿の13人>
主人公・義時は「酸いも甘いもかみ砕いた男」
――これまで2作品、大河ドラマを手掛けていらっしゃいますが、これまでの作品とどう異なるか教えてください。
1本目が「新選組!」で2本目が「真田丸」なのですが、どちらも実は敗者の物語なんですね。僕はどうしても歴史に名を残した人よりも敗れ去っていった人たちにドラマを見出すタイプの脚本家なので…。
そして北条義時ですが、歴史上では勝者なんですよね。一番最後に笑ったのは北条義時ですが、じゃあ本当に彼は全てにおいて勝ち組なのかというと、犠牲にしたものを多かったと思うんです。
彼はすごく孤独な男だった気がするし、その孤独の中、絶望の中でもしかしたら死んでいったのかもしれない…。
そう考えた時に、勝者ではあるんだけど義時という人物に興味を持ったので、義時の話を書くことになりました。
――主演の小栗旬さんにはどのように義時を演じてほしいですか?
小栗さんとは何本かご一緒させていただいて、初めてご一緒したのは「わが家の歴史」(2010年、フジテレビ系)という作品でした。
高倉健さんの若い頃を1シーンだけやっていただいたのですが、実際小栗さんは高倉健さんと似ても似つかないんだけども、映像を見た時に健さんにしか見えなくて…。
この人は本当に気持ちから入っていく人なんだ、物まねとかではなく、心から高倉健を演じたから高倉健に見えたんだと感じまして、この人と一緒にまた仕事したいなと思いました。
その後、映画やドラマでご一緒したり、大河ドラマに出演しているのも拝見しましたが、出番が短くても役を掴むのが上手といいますか、芝居にうそのない方だなと。この義時という人物はただ強く優しくかっこいいヒーローではなく、すごく人間的なずるい部分とか、酸いも甘いもかみ砕いた男なので、それを小栗さんにやっていただくのは楽しみです。
2022年1月放送開始予定
NHK総合ほか