輝き増す中川翔子、2020年は「歌って、描いて、子供たちの声をもっと聞きたい」<後編>
――歌手活動のほか、今年は2020年東京オリンピック・パラリンピックの聖火ランナーなど、新しい場での活躍も増えそうですね。
選ばれたときはびっくりしました! 開催される時代に生きていること自体がミラクルだし、前回の開催時に祖母や母が聖火ランナーを応援しに行ったという話も聞いていたので、家族にも見てもらえたら嬉しいですし、世界中のみんなの夢と希望をのせて聖火を繋いでいくことになるので緊張しますが楽しみたいです。
2020年東京オリンピック・パラリンピックが決定したときは、その場にいた人全員と手を取り合って喜んだのを覚えています。まだ遠い未来だけど、何か少しでも関われたらいいな、ってふわっと思っていたんですが、こういう形で参加させていただけるとは。
たまたまなんですが、2004年リリースのアルバム「9lives」の特典に『ちび太の聖火ランナー』という絵本を描いていて。そして去年ファミリーコンサートでの読み聞かせのときにも『ちび太の聖火ランナー ~2020 ver.~』を描き下ろし直したんです。人間でいうと今100歳になるおじいちゃん猫・ちび太のお話で、ちび太を見ながら、『大人になってからも夢は見つけていいし、たくさん見つけてたくさん叶えられる』って思えたことから生まれた作品です。夢って描いたりすると叶いやすいのかもしれませんね(笑)。
――振り返ってみると、未来に繋がるお仕事も多かったんじゃないでしょうか。
そうですね。書籍に関してはまだ言い足りないこともあったので、続編が出せたらいいなぁと思っています。やっぱり大人が『いじめられている人は悪くないよ』って言い続けなきゃいけないなと。毎年新しく思春期に突入する子もいっぱいいるわけだし。
死にたかった夜を乗り越えた先にいる大人たちだからこそ、分かる言葉や気持ちもある気がしますね。的外れになっちゃうといけないから、難しいんですけれど。だから2020年は、子供たちの声をもっと聞きたいかな。
――いろんな機会があるといいですね。
絵本もたくさん描きたいし、読み聞かせイベントもやりたいし、歌いたい! 目の前で歌を聞いて一緒に歌うって、子供たちにとっては鮮烈な思い出になると思うんですよね。だから、そういう機会もまたできたらいいな。そしてあとは、また何かリリースができれば。そのためには健康でいなきゃいけませんね。
――健康第一!
なんか、子供たちに会うたびにみんなが『しょこたん!』って呼んでくれるんですよ。このあだ名のおかげで概念っぽいというか、レベル34(34歳)ってあまり思わないでいてくれているというか(笑)。残りの寿命にはいつもおびえていますけど、最近は歳を重ねるのが楽しいなって思います。
――中川さんとの時間が、子供たちにとっての経験になりますね。
数えてみたら、2020年でデビュー19年目になるんですよ。やっぱり歌えたり、絵や言葉が誰かに届いて、それが残せるって本当に幸せなことだな、とじみじみ思います。そして続けられるのは歌を聴いてくれる人や、求めてくださる方がいないとできないことだったから、こんなに長くお仕事させていただけていることがミラクルなんです。これから届けるものたちが、いろんな人の宝物になっていったらいいなと思います。