
5月25日(月)に、大野智主演のドラマ「鍵のかかった部屋」(2012年、フジテレビ系)の特別編の第3話が放送される。
同作は、大野演じる奇才の防犯オタク・榎本径が、弁護士の青砥純子(戸田恵梨香)と芹沢豪(佐藤浩市)と共に難解な密室事件の謎を解くミステリー。
そこで、演出を担当する松山博昭氏にインタビューを実施。インタビューの後編では、大野が演じる榎本の魅力や、今回の「特別編」の見どころなどを語ってもらった。
松山博昭氏「(榎本は)大野さんありき」
――大野さんが演じる榎本のキャラクターは監督のイメージ通りでしたか?
榎本にはいろいろな要素があるのですが、基本的には直線で動いたり、あまり感情を出さずに早口で話したりする部分はイメージ通りでした。
しかし、僕は衣装をどうするのかがなかなかイメージが湧かなかったんです。最初は、地下にこもって自分の部屋で作業をしている人なので、もっとラフな衣装を考えていたのですが、衣装合わせのときにスタイリストさんが、劇中のような衣装を用意してくださって、きっちりした衣装も知的な感じがして面白いなと感じて変わっていきました。
もともとは、ジーンズにパーカーのような衣装もありかな、と話していて、今でも覚えているのですが、スタイリストさんからはさらにあの上にジャケットを着せようという話がありました。でも、一緒にいるのが弁護士の純子と芹沢なので、そこのバランスも見て、ジャケットなしのスタイルに落ち着きました。結果、眼鏡も含めてそれがキャラになり、うまくいったなと思っています。
――大野さんが演じる榎本の魅力とは?
同じセリフを同じように言ってくださいと別の方にお願いしても、絶対にあの感じにはならないのですね。それはすべての役者さんそれぞれに魅力があり、個性がありますので。
榎本が魅力的になったのは、やっぱり大野さんの持つ独特な雰囲気で、(榎本は)大野さんありきだと思います。
違う方がやっていたら、全く違う榎本になっていたと思うので、大野さんにやっていただけて本当に良かったと今でも思っています。
彼が佇むだけで、すごくかわいらしくもあるし、あんなにぶっきらぼうに話していても愛らしく見えるし、すごくスマートに見える。それでいて、決めるところは格好よく決める。それはやっぱり大野さんの力で、魅力だと思います。