石坂浩二主演「やすらぎの郷」追加キャスト発表
'17年春より放送するテレビ朝日と倉本聰氏がタッグを組み、石坂浩二が主演を務める「やすらぎの郷」の追加キャストが発表された。
主演の石坂、浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ、五月みどり、野際陽子、藤竜也、ミッキー・カーチス、八千草薫、山本圭らに加え、草刈民代、常盤貴子、名高達男、風吹ジュン、松岡茉優らの参加が決定。
同ドラマは、中高齢の視聴者に向け、テレビ朝日が新設する帯ドラマ枠=“シルバータイムドラマ枠”で送る作品の第1弾。テレビの全盛期を支えた俳優、作家、ミュージシャン、アーティストなど“テレビ人”だけが入居することができる老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada(ラ・ストラーダ…イタリア語で“道”の意)」が舞台。
かつて一世を風靡(ふうび)したシナリオライター・菊村栄(石坂)を中心に、ホームに入居する往年の大スターたちの姿を描き、家族や財産(遺産)、過去への思い、恋、死への恐怖、そして芸術への心残りなどのテーマをユーモラスに描く。
石坂は「僕が演じるシナリオライター・菊村栄は、倉本先生がご自身を投影した部分もありますが、照れていらっしゃるのか、謙遜なさっているのか、先生とは違う一面が、より人間くさく盛り込まれているように思いますね。当初は僕も先生を投影した役柄ということが気になっていましたが、今は“菊村は菊村”と考え、僕なりに“役”を生きています」と役への思いを明かす。
今回、常盤が演じる松岡伸子は「やすらぎの郷 La Strada」のコンシェルジュで、入居者の世話のすべてを取り仕切る施設の実質的な責任者。倉本作品初出演となる常盤は「私がこの作品に引かれた一番の理由は、そうそうたる大スターの皆さまとご一緒できるということ。何をおいても絶対に参加したいと思いました」と胸を躍らせている様子。
大スターとの共演を常盤は「先輩方は、とても“自由”でいつもワクワクしながら勉強させていただいています。言われたことを額面通りに受け取るかどうかは“自分次第”という自由さを持っていらっしゃるんです。そんなおおらかさがすてきで、早速私も学ばせていただいています。とにかく脚本が楽しくて、『このシーン、面白いよね』などと話しながら撮影を重ねられるのは幸せなことだなと思います」と喜ぶ。
一方の石坂は「常盤さんたち若い世代の方々は、僕らと違って物心ついたときにはすでにテレビが存在してドラマも放送されていたこともあって、立派に堂々とお芝居なさるのが本当にスゴイと思います。若い俳優さんたちに向けてのエールですか? いえいえ、『年寄りたち、頑張れ!』って逆にエールを送ってもらいたいぐらいです(笑)」と常盤らの演技に称賛の声を送った。
また、松岡演じる財前ゆかりは、施設内のバー“カサブランカ”で働く明るいバーテンダーで、いつも笑顔で周囲をなごませるため、入居者からは“ハッピーちゃん”というあだ名で呼ばれている。
松岡も倉本作品が初挑戦だといい、「私では到底、思い及ばない、さまざまな考えが盛り込まれた脚本で、1冊1冊に感動しています。また、いつかは共演してみたいと夢見ていた方々が集結する中に参加できることは、とても光栄に思います。“カサブランカ”の存在が視聴者の方々にとっても“憩いの場”になるとうれしいです。大スター大俳優のそろったこの作品を、ぜひ若い方々にも見ていただけたら…」と語った。
さらに、草刈は施設創設者の娘で施設の理事を務める名倉みどり役で出演。父が作り上げた施設と、そこに入居する大スターたちのプライバシーを守ろうと、冷静に尽力する理事を演じる。時には、わがままな入居者に振り回されるなど、クールビューティーな魅力とコメディーでも才能を発揮する草刈が絶妙なバランス感覚で好演する。
そして、風吹は石坂演じる主人公の菊村の亡き妻・律子役で登場。かつて女優として活躍し、認知症を患った後に他界するが、亡くなってからも菊村の心を翻弄(ほんろう)させる、最愛の妻に。
名高は名倉みどりの夫で、元大学病院の院長という経歴を生かして、温かいまなざしで入居者を診療し、施設の理事長を務める名倉修平を演じる。
石坂は「涙あり、笑いあり、感動するところ、考えさせられるところがあって、内容がとても豊かな作品です。きちんと先生の描いた世界を再現しているかどうか、プレッシャーを感じながら演じています。“人それぞれの人生”ということも描かれていて、視聴者の方々が誰に感情移入するかで受け取る思いは異なるかもしれませんが、総じて“若い頃のテレビはこうだったな”ということをお感じになってくださればうれしいです。共演の皆さんとは撮影の合間につい昔話にふけったりして、そのときはやはりトシを取ったんだなぁと感じます(笑)」と明かした。
'17年春
テレビ朝日系で放送