平埜生成のSNS
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タナカ vol.1
やっほー! 今日から毎週火曜日に、事務所のインスタグラムを更新します! 舞台「兵卒タナカ」に向けた、私たちなりの宣伝活…
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読書感想文#6
「お願いしたいのは、落語研究会の部長の役なのですが」 そんなメールが届いたのはいつだっただろうか。男はパソコンの光を浴…
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読書感想文#5
あの頃、ボクは引っ越しの準備に追われていた。契約更新を何度もしてきたマンションから、突然、立ち退き宣告を受けたのだ。 …
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読書感想文#4
《キャリアに関係なく、年長者が年少者に奢らなくてはならない》 これが演劇の世界に入って知った、最初のルールだった。ボク…
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読書感想文#3
「チッ、止まらねぇ」 柄にもなく、尖ったセリフを呟いてしまった。時刻は23時を回ったところ。 座り位置をずらし、背中を…
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舞台「マーク・トウェインと不思議な少年」
舞台「マーク・トウェインと不思議な少年」 全公演が終了しました。 劇場に足をお運びくださったお客様。ご声援を送ってくだ…
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ご報告
昨晩、おねしょしました!今井隆文(32)
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舞台閉店拒否を終えてのブログをあげようかと思うのですが何から書こうか迷っていて困っていますがとり
こんにちはまさきです舞台『閉店拒否!〜俺たちは帰らない〜』ご来場下さった皆様、応援して下さった皆様ありがとうございまし…
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今井です!
結婚式の準備で、写真整理してたら、シェー!!ってしてる、今井を見つけました。こんなにきゃわいい子が、いま、これ。人間っ…
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しな垂れて、しな垂れて、春の訪れ
しんぺーちゃんは頑張っておられました。たかとうゆうき
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目に蒼葉、食らうは大葉、揚げて食らう。
もう2月も終わりねー。心身ともに深深と辛辛。たかとうゆうき
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スタッフよりお知らせ
いつも劇団プレステージ オフィシャルブログをご覧頂きありがとうございます。スタッフより出演情報のお知らせです。 ●劇団…
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りょうです。
お久しぶりです!本日稽古最終日です。いよいよ『僕はこたつで丸くなる』が始まります!!ヒューマンファンタジーコメディー舞…
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今井のチョキ!!!
あいつのチョキ!絶賛稽古中!!2月27日~3月6日まで!学芸大学駅千本桜ホールにて!!良い感じに仕上がって参りました!…
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石原
今日も時限ドラマご視聴ありがとうございました!最近あんまり寒くないないや寒いな移動のときしか外にいないから感覚狂ってん…
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やっほー! 今日から毎週火曜日に、事務所のインスタグラムを更新します! 舞台「兵卒タナカ」に向けた、私たちなりの宣伝活動でございます!笑 写真だけでなく、舞台に向けた想いなどもたっぷり書いていこうと思っています! たくさんの人に知ってもらい、劇場に足を運んでいただけるようにがんばっていかなきゃね!!! ・ 実は、舞台「マーク・トウェインと不思議な少年」に出演していた時も、事務所インスタの更新をしていたのですが、「インスタだけに投稿するのはもったいないな!」と思ったんです! ということで、せっかくですので、今回からはインスタ内容をブログにも載せていこうと思っております! 写真が苦手すぎて、毎回、更新に必死なのですが、そんな奮闘も楽しんでいただけたらなと思います! よろしくお願いしまーす! ---- こんにちは、平埜生成です! ヒラノキナリ、と読みます! 気軽に「キナリ」と呼んでください! 来年2月に開幕する舞台「兵卒タナカ」に向けて、あれやこれやと試行錯誤する様子をお届けできたらと思っております。どうぞ、よろしくお願いいたします! ♢ 2024年2月3日〜14日 「兵卒タナカ」 @ 吉祥寺シアター 一般 6,000円 お得チケット 5,500円 U25. 3,500円 U18. 1,500円 詳しくはHPをご覧ください。 「陛下があやまるべきであります」 80年前にドイツの劇作家により書かれた ある「タナカ」の物語。 オフィスコットーネプロデュース 「兵卒タナカ」 作 ゲオルク・カイザー/翻訳 岩淵達治 演出 五戸真理枝(文学座)/企画 綿貫 凜 2024年2月3日(土)~14 日(水)@吉祥寺シアター 前売開始12月2日(土)10:00~「陛下があやまるべきであります」 80年前にドイツの劇作家により書かれた ある「タナカ」の物語。 オフィスコットーネプロデュース 「兵卒タナカ」 作 ゲオルク・カイザー/翻訳 岩淵達治 演出 五戸真理枝(文学座)/企画 綿貫 凜 2024年2月3日(土)~14 日(水)@吉祥寺シアター 前売開始12月2日(土)10:00~officecottone.com ♢ なんと「兵卒タナカ」では、人生初の《主演》を務めます! キナリは「タナカ」を演じます! 実は、これまでW主演などの経験はあったのですが、作品タイトルと演じる役名が一致するようなタイトルロール(「ハムレット」的な)を演じるのは、初めてなんです! ドキドキ、ワクワク。楽しみしかありません! 2月が本番なので、ちょっと先の予定かと思いきや、時の速さを思えば、あっという間ですよね。街を歩くとクリスマスモード一色ですしねぇ。気付けば2023年が終わ続きをみる
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「お願いしたいのは、落語研究会の部長の役なのですが」 そんなメールが届いたのはいつだっただろうか。男はパソコンの光を浴びながら、瞳孔が開いていくのを感じていた。カフェインを摂った時のように頭が冴えていく。 「伝統芸能かぁ……」 男は小さく呟いた。伝統芸能と聞くと、頭の中で「古典」の文字が浮かんでしまう。 ――今は昔、竹取の翁ありけり。 あの古典だ。学校で習うやつ。 ――ようよう白くなりゆく山ぎは、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。 ああ、ヤダヤダ!同じ日本語のはずなのに、サッパリ分からない!これだから古典ってやつは! と敬遠してきた、あの古典。テストでも赤点ギリギリだった、忌まわしき古典。そんな古典に――伝統芸能に立ち向かうのか! 気付けば男は、ゲームの世界に迷い込んだような面持ちになっていた。今はレベルが足りていないのに、ボス戦を迎えようとしているようなもの。 こっちの武器は、ひのきの棒しかない。防具は木の盾に、布の服。ほぼ丸裸状態だ。絶対ムリだよな、敵は強いよなぁ。ミルドラース級の強さかもしれないよなぁ。でもなぁ、闘ってみないと分からないし。……ぶつかってみるか! ドラクエの主人公気分になると、弱気な感情も最後には消える。むしろ手強い敵が現れたときほど燃えるものだ。 男は落語について何も知らなかったし、古典に対してアレルギーを持っていたが、「がんばります! ありがとうございます!」と威勢よく返事を送った。 ・ 男はすぐにレンタルショップへ駆け込んだ。孫子の兵法でも言われている。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」だ。意味は分からない。たぶん「まずは敵を知ろう!」ということだろう。ああ、これも古典だ。古典が付きまとう! 頭の中でグチャグチャ騒ぐ自分の声をなんとか押し殺しながら、男はレンタルショップのGDの棚を探し回った。 「落語、らくご、ラクゴ……」 音楽の棚を飛ばし、民謡・伝統の棚にたどり着いた時、ようやく目当てのCDたちと顔を合わせることができた。 桂米朝、桂枝雀、古今亭志ん生、古今亭志ん朝、立川談志、立川志の輔、立川談春……。 あるわ、あるわ、山ほどある。誰の落語から入ればいいか分からなかった男は、過去に共演した友人が「立川談春さんがおすすめ!」と言っていたことを思い出し、立川談春「紺屋高尾・明烏」のCDをレンタルすることにした。 「ダンシュン・タテカワ。こうやたかお、あけがらす。ダンシュン・タテカワ。こうやたかお、あけがらす」 男は初期設定が終わったばかりのロボットみたいに、同じ言葉を何度も呟きながら、家まで駆けた。 まずは敵を知ることだ。 男は緊張の面持ちで、立川談春の落語CDをパソコンに食べさせた。ジャケット写真を見つめていると、ボス戦を控えているような心持ちになる。いや、談春師匠は敵ではない。もちろん、ボスでもない。なのに、胸がドキドキする。男の頭は完全にこんがらがってい続きをみる
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あの頃、ボクは引っ越しの準備に追われていた。契約更新を何度もしてきたマンションから、突然、立ち退き宣告を受けたのだ。 びっくりぎょうてん! 詳しい理由はよく分からない。管理会社が変わるとかなんとかで、半年後にはマンションの取り壊しが決まったらしい。それ以上のことはなにも教えてもらえず、とにかく「取り壊すから、引っ越してほしい!」というメッセージだけがガーンとボクの頭に飛んできた。正直、まったくもって納得いかない。 一体、どういうこと! でも、察するに、その土地一体を丸ごと購入した者が現れたのだろう。だから目をニヤニヤさせた男たちが「引っ越しまでの間の家賃免除と、引っ越し資金も多めにご用意しますので」とウマイことを言ってきたのだ。鼻の奥がツンとするような、ものすごい臭気がした気がした。 ヤダヤダ、こわいこわい。 瞬間的に防衛本能を働かせたボクは、すぐさま同意書にサインした。「むしろ、こっちから出てってやる!」と言えたらよかったが、ボクはヘイコラしながら頭の中でソロバンを高速で弾いた。 数ヶ月分の家賃。敷金。引越し資金。諸々考えていくと、ここは心機一転、引っ越しするのもアリかもしれない! 去っていく男たちの背中を眺めながら、ボクは拳をかたく握った。 すぐさま物件情報アプリをインストールして、近場の物件を検索する。思った以上に、空き物件は多かった。気になるものにはハートマークをポチり。そして街に出た際は決まって不動産会社を見て回った。しかし……、 「引越しって、どうやってするんだっけ?」 もう何年も引越しをしてないボクは完全に引越しのやり方が分からなくなっていたのだ。まず、肝心の引越し先が見つからない。イヤ、物件はある。でも、条件にハマる物件が見つからないのだ。探せば探すほど欲望は湧いてくるし、考えれば考えるほど今住んでいる家の条件がベストに思えてしまう。 駅近物件を考えれば家賃は上がるし、部屋の広さを考えても家賃は上がる。風呂トイレは別がいいし、マンションでもアパートでも、できれば2階以上の家に住みたい。そして、日当たりも重要だ。これまで朝日と共に目覚める生活をしていたのだから、最低限、南向きは死守したい……。 自分の中に眠っていた贅沢根性にため息が出るほど、引越し作業は難航した。 でも、緊急事態宣言が発出され、世の中が大騒ぎしている最中に、家賃の心配もせずのんきに引越しのことを考えられるなんて、幸せなのかもしれない。ボクはテレビのニュースを眺めながら呟いた。 「がんばるか」 もちろん、考えるべきは引越しだけではなかった。決まっていた仕事も延期になり、向こう数ヶ月、仕事の予定もない。ちょうど事務所から独立したタイミングだったこともあり、正直、メンタルはキツかった。 でも目の前に現れた引越しのことを考えている時だけは、日常生活に戻ったような感覚があったのだ。本来、日常だった営みが非日常に思われる。なんだか不思議な感覚だ。 それからのボクは、家の片付けをするようになった。物件を見つけることは急務だが、どれだけ探したところで見つからないときは見つからない。そう割り切っていた。 午前中は大掃除。午後は物件探し。残りの時間を使ってオーディション情報を探したり、仕事の営業などに充てていた。続きをみる
『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』
《キャリアに関係なく、年長者が年少者に奢らなくてはならない》 これが演劇の世界に入って知った、最初のルールだった。ボクは16歳だった。 あの頃は、このルールの恐ろしさに気づかなかったが、「お金がない」ことを理由にできないこのルールは、後輩に出会った先輩を平気で消費者金融へと走らせてしまう《悪魔の掟》とも噂されている。さらに、このルールは相手をも選ばない。 貧乏な先輩が売れっ子の後輩に食事を奢るという歪な事態まで起きているのだ。 ボクもこの目で見たことがあるが「大丈夫です! ちゃんと払いますから!」と爽やかに笑う有名俳優に対して、お風呂のないアパートで暮らす先輩が「お前がオレに奢るなんて100年早いんだよ! 気持ちよく奢らせろ!」と叫んでいた。 全く関係ない人がこの場に立ち会ったら、「クダラナイ プライドネ」と笑うだろう。でも、ボクはそんな先輩の背中を見て、鼻の奥がツンとするほど感動した。 だからといって、全員が甘んじてルールを受け入れているわけでもない。そりゃあ「後輩に出会いたくない」と考える者も現れるわけで。 先輩の一人は、下北沢や三軒茶屋など、演劇人が多いと言われている街からは引っ越していった。大物芸能人ばりに帽子やメガネ、マスクで顔面を覆い、変装することでその姿を眩ませるという人もいた。 悲しいかな誰もが売れっ子になるわけではないのが芸能界であり、年齢とともに収入が増えるわけではない。中堅ともいわれる年齢に差し掛かった時に血気盛んな若者と遭遇しようものなら、一発で命を奪われることになりかねない。 例にもれることなく、30代に突入するタイミングで、ボクは先輩が多く住んでいるベッドタウンに引っ越すことにした。家賃は多少上がってしまったが、ここなら後輩に遭遇する確率は下がり、反対に先輩と出会う機会が多くなる。逆転の発想で、生き延びていこうとしたのだ。(しかし、住んでみると先輩には全く会えず、ただ孤立するだけでした) とはいえ、みんなが最初から先輩になるわけではない。誰もが子ども時代を送るように、必ず後輩として先輩にご馳走になる時期を過ごすのだ。 そして決まり文句のように「後輩にも同じことをしてやりなさい」と教えをうける。売れっ子俳優に奢っていた先輩も「受けた恩は返すんじゃなくて、次の奴らに送るんだよ!」と、イイコトを言っていた。 だから、ボクは《悪魔の掟》の全てが悪いわけではないと思っている。先輩に面倒を見てもらった過去があるからこそ、相手に対するリスペクトや、次の世代へ繋ぐことの意味。人と人との結びつきを学べるのだと思っている。 でも、このルール。案外、浸透率は高くないらしい。他の現場に参加し、飲み会の会計のシーンでこんなことを言われた。 「体育会系のノリはなしで、ここは割り勘でいこうね!」 大ベテランの先輩から新人の若手まで、みんなで等しく勘定を割る。それは上下関係なく、対等に人間関係を構築していこうとするカンパニーとしての意思表示なのだろう。たしかにその通りだと思ったし、いいなと思った。そして、自分が体育会系ノリであったことも自覚した。 演劇と一口に言っても、そのジャンルは幅広い。キャパ30人ほどの劇場で、お客さんのほとんどが自分たちの近親者であるような公演もあれば、キャパ1000人を超える大劇場で出演者のほとんどがテレビや映画で名前を見るような華やかなステージもある。体育会系の劇団もあれば、穏やかな演劇ユニットもあるのは当然で、同じ演劇でも適用されるルールは違うのだ。 状況に応じて自分のスタンスを変化させなければいけないし、だからこそ、同じルールが適用される人を見つけたならば・・・。 ♢ 「壁賀白さん!」 芝居が終わり、劇場から吐き出される観客の波の中で、ボクは叫んでいた。少し先に印象的な角刈りの男性を見つけたのだ。猫背で歩幅が狭いせいか、普通に歩いているのに失恋した直後のようにトボトボとして見える。 あれは間違いなく劇団時代の先輩、壁賀白だ・・・! ボクは直感的に確信していた。反射的に振り返った壁賀白は、ボクの顔をみとめると目元にシワをよせ、頬骨をピクピクと痙攣させた。人ごみの中で顔が見え隠れしていたにも関わらず、明らかに「めんどくさいヤツに見つかった」という表情をしている。同じ劇団で時間を共にした壁賀白の脳裏には、あの掟が浮かんでいたのだろう。壁賀白は、ボクより年齢が3つ上だった。 「同じ芝居観てたんですね!」 満面の笑みを浮かべながら話しかけるボクの頭にも、あの掟が浮かんでいた。 「ああ、うん。面白かったね」 取り繕う壁賀白は、大人らしく口角をキュッとあげると思いきや、まるでガマ口のようにグイッと口をキツく結ぶように答えた。 壁賀白は、何度も舞台で共演した心根の優しい先輩だ。後輩からもイジられるような愛されキャラクターで、劇団ではムードメーカー的存在でもあった。 そんな壁賀白が、これほどカタクナな表情をしているのだ。きっと誘われたくないのだろう。それに加えて、趣味の競馬で大負けしたに違いない。ただでさえ高額の芝居チケットを払った今、後輩に出くわすなんて地獄を見るようなものだ。 一瞬のうちに壁賀白の心境を察知したが、同じ劇団にいた以上、適用されているルールは同じである。これを聞かないのは逆に失礼だと思い、ボクは抵抗なく口火を切った。 「ご飯、いきませんか?」 「・・・まあ、そうなるよね」 壁賀白は、コンビニのATMへと吸い込まれていった。 ♢ 「最近、ハマってることあります続きをみる
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「チッ、止まらねぇ」 柄にもなく、尖ったセリフを呟いてしまった。時刻は23時を回ったところ。 座り位置をずらし、背中を反るように伸びをすると、一人がけのソファがギジギジギジと歪な音を出した。「もうそろそろ寿命なのかもしれないなあ」と思いながら、ぼくはマグカップに注がれた白湯をすする。 つい1時間ほど前から読み始めた小説が面白すぎて、ページをめくる手を止められなかった。朝から歯医者と皮膚科をハシゴし、午後は衣装合わせと舞台観劇。忙しない1日だったから、眠くなってもいいはずなのに、いっこうに睡魔がやってこない。 「ああ、おもしろいぃ・・・、どうしよう」 大きく息を吐いてから、再び本に目を落とす。言葉とは裏腹に、体は物語を欲しているようだった。 小説家を描いた小説「小説王」を読み終え、時計を見ると深夜1時をすぎていた。いつもは23時頃には寝ているぼくにとって、この数字はかなり久しぶりに見るものだった。 達成感と充実感が体からドボドボと垂れ流れていくのを感じながら、ぼくは布団に寝そべっていた。 後頭部のあたりがピクピクと動いているのがわかる。心臓のポンプに合わせて、太い動脈の中で血が踊っているのだ。これが、血が騒ぐ、というやつなのかもしれない。いや、ちがうか。 ぼくは静かに目を閉じて、再び小説世界へ戻ろうと試みた。 「生活のために書くようになったら小説家は終わりだ」 頭に浮かんだのは、物語の前半に出てきた言葉だった。よほど印象に残ったのだろう。でも、ぼくは小説家ではない。ただの読者だ。だから、なぜこの一文が頭に浮かんだのかは分からない。でも心に残ったのは間違いなくて、しばらくはそのことが頭の中をグルグルしていた。 小説家さんって、生活のために書いているのではないのだろうか・・・。 この小説を読み切った今、こんなことを思うのはおかしいのかもしれない。だって、その真意は、すでに書かれているし、ぼくも納得感を持ちながら読んだはずだった。なのに、どうしてこの一文が胸に響いたのだろう。 ここらで睡魔が襲ってくれれば、考えることを放棄してキレイさっぱり忘れることができたのかもしれない。でも、どういうわけか脳内はパッと冴えていた。ページをめくる手を止められなかったときと同じだ。体が考えることを欲しているようだった。 「生活のために演技するようになったら俳優は終わりだ」 気付けば、ぼくは自分の仕事を作中の一文にはめ込んでいた。すると、なにかイヤな感じがした。文章が急に距離を縮めてきたような感覚になったのだ。演出家にダメ出しを受けているような、そんなリアリティある言葉として身に迫ってくる。うん、なんか、いやだなあ。 なにがイヤなのか、なにに違和感を抱いているのか分からずに、ぼくは目を開けて真白で無機質な天井に向かって呟いてみた。 「生活のための演技」 声に出してみても不思議な響きが解消されることはなかった。 「生活のための演技って、なんだ?」 ポコポコと頭の中にクエスチョンマークが浮かぶ。ぼくはこれまで生活のために演技をしている自覚はなかった。 言葉にするのは恥ずかしいが、あえて書くなら「作品のため」に演じていたような気がする。役柄を演じることによって作品に奉仕するようなイメージだ。そして、今でもそんなことを思っている。 でも、考えてみると自分は演技をした対価として「お金」をいただいているし、そのおかげで生活ができている。だから、演技は生活のためにしている、とも言えるのではないだろうか・・・。 浮かんだ疑問をツンツンとつつくようにして考えるが、うまく答えが見つからない。 ぼくは枕元に置かれた「小説王」を再び開いてみる。そこには、こんな一文があった。 「書くために生きることを誓った小説家に、生きるために書くときがやって来るのだ」 そ続きをみる
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舞台「マーク・トウェインと不思議な少年」 全公演が終了しました。 劇場に足をお運びくださったお客様。ご声援を送ってくださった皆様。 本当に感謝の気持ちでいっぱいです。 感謝感激あめあられ。 いっぱいの「ありがとう」を叫びたいです。 本当に本当にありがとうございました! ✳︎ もう二度と同じカンパニーが集まることはありません。 学校の「卒業式」と似てるかもしれないですね。 同窓会はあったとしても、あの頃の先生、生徒、全員が揃うことはないんです。 ヘタしたら、もう一生会わない人がいる可能性だってありますからね。 ああ、儚い。ああ、無常。 ✳︎ 「もう俺ら一生会わないからな!」 昔、俳優の先輩にこんなことを言われました。 でも、これはイヤミではないんです。 俳優の仕事は一期一会であり、全てが「ご縁」の仕事。 だからこそ、「今、一緒に演技ができていることに感謝して、目一杯、楽しもう!」というメッセージだったんです。(と勝手に解釈しました) 10年以上続けてきたからこそ、本当に実感しています。 この仕事は、一期一会なんです。 俳優に限らず、全ての仕事にも当てはまるんじゃないかな。 人生は一期一会なんですよね! ✳︎ 今回の舞台で、「人生はシャボン玉みたいなもの」というセリフが出てきます。 キナリは、このセリフが大好きなんです。 人間は、「フッ」と吹きつけられるようにこの世に生まれ、優雅な形や美しい虹色を見せながら消えていきます。消えたあとに残るのは、「記憶」のほかはなにもありません。 これって、まさに一期一会のことだな、と思っています。 特に今回の舞台は、公演をするたびに、千穐楽に近づくほどに、そんなことを考えてしまいました。 実際、俳優を辞めてしまう人もいれば、会えなくなってしまった人もたくさんいます続きをみる
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いつも劇団プレステージ オフィシャルブログをご覧頂きありがとうございます。
スタッフより出演情報のお知らせです。
●劇団プレステージ
2月27日(火)~3月6日(火) 劇団プレステージ 企画公演「あいつのチョキ」@千本桜ホール
出演(予定):今井、大村、小池、向野、秀光、長尾
※2月10日(土)10:00~ チケット一般発売
●風間
2月2日(金)~25日(日) 舞台「密やかな結晶」
●原田
2月3日(土)~4月1日(日) TEAM NACS 第16回公演「PARAMUSHIR~信じ続けた士魂の旗を掲げて」
5月12日(土)公開 映画「蝶の眠り」
●岩田
2月21日(水)~25日(日) こちらスーパーうさぎ帝国 第24回公演「僕はこたつで丸くなる。」
●猪塚
2月23日(金)20:00~ Youtube スマッシュ&マジック公式生放送「月刊 なまマジ!!」
2月28日(水)21:00~ FRESH!、Youtube、Perisocpe「全力GAMEバラエティー ゆるり1000%」
4月公開 映画「娼年」
●今井
2月24日(土)23:00〜 NHK BSプレミアム「オモヒデ座」(江古田編)
●石原
2月26日(月) 12:00~ tvk「猫のひたいほどワイド」
●大村
2月26日(月)22:00~コミュニティラジオ「渋谷のラジオの学校」 ※毎週(月)レギュラー放送中
●石原/岩田/太田/株元/城築/長尾
3月1日(木)21:00~ Ameba FRESH! レギュラー番組 「時限ドラマバラエティ ACTORS FRESH!」 ※原宿駅前 Abema Studioから生放送! ゲスト:溝口琢矢
●猪塚/今井/高橋
3月1日(木)23:00~コミュニティラジオ「渋谷のラジオの学校」生放送 ※毎週(木)レギュラー放送中
●加藤
3月2日(金) 「MOS会vol.2 ~春なんで、「色」から始めてみますか!~」
4月9日(月)~5 月12 日(土)舞台「1789 -バスティーユの恋人たち-」
●太田
3月14日(水)~21日(水) 舞台「閉店拒否!~俺たちは帰らない~」
※チケット一般発売中
●長尾
3月20日(火)~26日(月) 舞台版「なんでもないトマトなのに」
●城築
3月21日 毎(水) 22:00~
フジテレビNEXT ライブ・プレミアム/J:COMプレミアチャンネル/フジテレビONE/TWO/NEXT×J:COM共同制作
連続ドラマ「記憶」レギュラー出演
●園田
4月18日(水)~22日(日) たやのりょう一座 第2回公演 春の二本立てスペシャル「いつも心に太陽を」
●石原/太田/株元
ドリフェス!presents DearDream 1st LIVE TOUR 2018「ユメノコドウ」
1/10(水) TOKYO DOME CITY HALL(東京)
1/13(土) 北九州ソレイユホール(福岡)
1/20(土) Zepp Osaka Bayside(大阪)
2/11(日) 一宮市民会館(愛知)
2/25(日) パシフィコ横浜 国立大ホール(神奈川)
お久しぶりです!
あいつのチョキ!
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●劇団プレステージ
2月27日(火)~3月6日(火) 劇団プレステージ 企画公演「あいつのチョキ」@千本桜ホール
出演(予定):今井、大村、小池、向野、秀光、長尾
※2月10日(土)10:00~ チケット一般発売
SODA別冊シリーズ『SODA PLUS Vol.5~TEAM NACS特集~』内 ‘注目劇団ガイド’に掲載
※全国書店等で発売中
●風間
2月2日(金)~25日(日) 舞台「密やかな結晶」
●原田
2月3日(土)~4月1日(日) TEAM NACS 第16回公演「PARAMUSHIR~信じ続けた士魂の旗を掲げて」
5月12日(土)公開 映画「蝶の眠り」
●猪塚
2月8日(木)~18日(日) 舞台unrato#1「BLOODY POETRY」
4月公開 映画「娼年」
●今井
2月16日(金)22:00~ TBS「アンナチュラル」
2月24日(土)23:00〜 NHK BSプレミアム「オモヒデ座」(江古田編)
●石原
2月19日(月) 12:00~ tvk「猫のひたいほどワイド」
●大村
2月19日(月)22:00~コミュニティラジオ「渋谷のラジオの学校」 ※毎週(月)レギュラー放送中
●石原/岩田/太田/株元/城築/長尾
2月21日(水)21:00~ Ameba FRESH! レギュラー番組 「時限ドラマバラエティ ACTORS FRESH!」 ※原宿駅前 Abema Studioから生放送! ゲスト:猪塚健太 ※イレギュラー(水)生放送
●岩田
2月21日(水)~25日(日) こちらスーパーうさぎ帝国 第24回公演「僕はこたつで丸くなる。」
●猪塚/今井/高橋
2月22日(木)23:00~コミュニティラジオ「渋谷のラジオの学校」生放送 ※毎週(木)レギュラー放送中
●加藤
3月2日(金) 「MOS会vol.2 ~春なんで、「色」から始めてみますか!~」
4月9日(月)~5 月12 日(土)舞台「1789 -バスティーユの恋人たち-」
●太田
3月14日(水)~21日(水) 舞台「閉店拒否!~俺たちは帰らない~」
※2月17日(土) チケット一般発売開始
●長尾
3月20日(火)~26日(月) 舞台版「なんでもないトマトなのに」
●城築
3月21日 毎(水) 22:00~
フジテレビNEXT ライブ・プレミアム/J:COMプレミアチャンネル/フジテレビONE/TWO/NEXT×J:COM共同制作
連続ドラマ「記憶」レギュラー出演
●園田
4月18日(水)~22日(日) たやのりょう一座 第2回公演 春の二本立てスペシャル「いつも心に太陽を」
●石原/太田/株元
ドリフェス!presents DearDream 1st LIVE TOUR 2018「ユメノコドウ」
1/10(水) TOKYO DOME CITY HALL(東京)
1/13(土) 北九州ソレイユホール(福岡)
1/20(土) Zepp Osaka Bayside(大阪)
2/11(日) 一宮市民会館(愛知)
2/25(日) パシフィコ横浜 国立大ホール(神奈川)