――オヌキさんは、楽曲、MVをどんな方に届けたいですか?
オヌキ:「べに」という曲は、苦しい愛情を歌っている曲です。青春時代の苦しい恋、愛情もあるだろうし、逆に大人になると、余計にこじれた苦しい恋愛が絶対にあると思うんですね。そうやって考えると、世代を問わず、愛情に疑問を抱いていたり、愛に飢えている人にこの曲は届くと思うんです。楽曲もMVも苦しい内容だし、新田さんもせつなさを表現してくれているから、愛について何かを考えている人には、メッセージが届くのかなという風に思いますね。
――音作りのお話も少し聞かせてください。
オヌキ:この曲で表現したかったのは、苦しい愛情、人間の繊細な部分なので、曲の始まりは繊細に入りたい、繊細な音を使いたいと考えました。ピアノの音から始まって、だんだんと心が苦しみに燃え上っていく様をサウンドとしても表現したくて、後半に向かって盛り上がっていく流れになっています。
面白かったのは、ハモリを入れていないことですね。最近のJ-POPはだいたいサビとかにハモリが入っているんですね。この曲も入れようと考えていたんですけど、アレンジャーもマネジャーもみんな「要らない」「生歌1本でいい」「そっちの方が伝わるから」って言うから。「べに」は、本当に生の歌声1本だけなんです。そこが聴きどころになっていると思います。楽曲が盛り上がっていく中でも、僕の歌1本しかない。僕の声だけで感情を乗せて歌い切った、それが強みなのかなと思いますね。
ボーカルのピッチ修正もほとんどしていなくて。だからよく聴くとフラットしてるところも、シャープしてるところもある。それでも、この曲では生々しい声を生かそうということになりました。僕自身、気になったところもありますが、そこも含めて生々しさがある。そこでガシッと心をつかめる、強い曲なんじゃないかなと思います。今時じゃないのかもしれないですけど、感情の起伏もあえて直さないのが、すごく面白いんじゃないかと。
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オヌキ諒「べに」 (MUSIC VIDEO)https://youtu.be/SUQsvTPoXVI
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