村橋直樹氏「とにかく、町田さんは動きがきれい」
第16回では、新選組が池田屋を襲撃する場面も見どころの一つ。このシーンについて村橋氏は、土方を演じる町田の印象を「とにかく、町田さんは動きがきれいなんです。一度、殺陣の稽古で剣を振った時とても美しくて…。もちろん町田さんはお顔も見目麗しいのですが(笑)、剣の振りがとても美しかったので“美しい殺陣”を目指しました。今回の『青天を衝け』は汗臭いようなアクションを目指しているのですが、町田さんの殺陣に関しては、誰も触れられないくらい、相手は一太刀のもとに死んでいく…。そんなシーンを町田さんはまさしく“美しく”演じてくださいました」
そして続けて村橋氏は「このシーンの撮影の後に吉沢さんのシーンの撮影があったのですが、モニターを見ていた吉沢さんが『いいな~』と言っていました(笑)。栄一は、かっこいい見せ場のようなシーンはこちらも作らないように意図的にしているので。吉沢さんご自身は美しい方ですし、他の作品ではかっこいいシーン演じてらっしゃると思うのですが…(笑)」と明かした。
そんな吉沢演じる栄一は、武士へと立場が変化し、少年から青年へと成長している。吉沢の演技の“変化”について聞くと村橋氏は「栄一はどんどん大人になっていますし、武士となり、今まで見えてなかったものが見えてきて、吉沢さんのお芝居も変化しています。ですが、それよりも吉沢さんの“根っこの部分がぶれない演技”が素晴らしいなと思いました」と語った。
続けて村橋氏は「周囲が変化し、立場も変わるのですが、吉沢さんが演じる栄一はこれまで長く描いてきた農村時代の栄一から根っこが同じなんです。どうしてもお芝居が変わると根っこの部分がぶれてきてしまうのですが、吉沢さんはそこが変わらない。ぶれない。本当に真ん中にいるべき役者だなと思いました」と吉沢の演技を絶賛した。
第16回「恩人暗殺」のあらすじ
篤太夫(吉沢)と成一郎(高良)は、円四郎(堤)に命ぜられ、一橋家の兵と家臣を募るべく関東に出向く。
二人はかつての同志・真田範之助(板橋)に会い、一緒に働くことを勧めるが一蹴されショックを受ける。
血洗島村では惇忠(田辺)と平九郎(岡田)が水戸騒動に関わった嫌疑で連行され、惇忠は牢(ろう)に入れられる。
一方京都では土方歳三(町田)ら新選組が池田屋を襲撃。攘夷(じょうい)派志士の怒りは、禁裏御守衛総督(きんりごしゅえいそうとく)の慶喜(草なぎ)と側近・円四郎に向かっていく。