<邪神の天秤 公安分析班>青木崇高インタビュー「自分たちで演じながらも“公安の怖さ”を感じていました」
公安ならではの“スマートさ”の表現に苦戦?
――先ほどせりふについて苦戦されたことを伺いましたが、その他撮影現場で大変だったことはありますか?
青木:やっぱりせりふ回しですが、道具の扱い方は大変だったけど面白かったですね。例えば尾行している対象を単眼鏡で見るシーンがあったんですけど、内片監督と相談して、最初の方は慣れてないことを表現するために片目を瞑って口開けながら見たり、それが時間の経過とともにだんだんうまく扱えるようになっていったり。ただ、公安として動きをスマートに見せなければいけないので、そこは難しかったです。
後半では拳銃を持って犯人を追い詰めるシーンもあり、そういったシーンを松雪さんと一日中やっていた日もあって。基本的な動きは決まっているのでそれをやりつつ演じていたんですが、緊張感ある中でビンビンにアンテナを立ててやっていたら身体がガチガチになりました(笑)。
銃の構え方や動きに関しては内片監督が詳しいので、「状況をクリアして、認識してそこに銃を向ける」みたいな感じでやっていて。銃の扱いは毎回難しいですけど、やりがいもあって楽しいですね。
あと、かばんの中からいろいろ取り出す時、白手をはめて、見つけた時に白手を取る・取らないとか、動作一つ一つに意味があって。でもそういうシーンが視聴者にとっては一番緊張感のあるシーンなので、なるべくスマートに、焦りとか呼吸とか、一旦落ち着いて着手するとか、緊張と緩和を繰り返させるかを意識しながらやってました。
――本作では追跡の仕方一つとってもこれまでのシリーズとは違っていて、そういう部分の面白さもあると思いますが、青木さんの中で今回の見どころとなる部分、注目してほしいポイントはどんなところでしょうか?
青木:これまでのシリーズと比べて、感情はかなり排除している気がします。そういう意味では、簡単な表現ですがより「大人なドラマ」にはなっていると思います。ただ、感情があまり表に出ないだけであって、実はそれぞれの公安になるまでの過程であったり、メンバーの背景があらわになっていくところは、とても感情をゆさぶるようなストーリーがあって。
今回の物語はエジプトの神話を模した事件から始まっていきますが、実はそれだけでは収まらず、全10話という過去最長の話数の中でいろんなが起こり、このチームが翻弄されていくという。また、新たに出られるキャストの皆さんも本当に素晴らしいので、一視聴者としてもすごく楽しみです。
――本作も発端となる事件は非常にショッキングな描写で、これまで猟奇殺人を描いてきた「殺人分析班」シリーズとの連続性も感じられたのですが、そういった部分については演じられていかがでしたか?
青木:このドラマのシリーズをやっていて面白い部分だと思います。「グロテスク」の一言だけでは片付けられない、事件の背景や後に明かされる事実を踏まえれば絶対に必要な描写ですし、そこはWOWOWさんでしかできない表現なのかなと思いますね。地上波のキー局ではなかなか表現しにくい部分ですし、その表現の深さ、幅はこのドラマにしっかりあると思います。
とにかくすごく面白いと思います。こう言うと何ですけど、「わかりやすい警察ドラマ」では決してなく、だからこそ「わかりやすい警察ドラマ」を見飽きた方にはうってつけなんじゃないかなと。本格的な警察ドラマだと思いますし、テーマも舞台も深いですし、いまだかつてここまで掘り下げたものは無いんじゃないかと思います。
(スタイリスト: 小泉美智子/ヘアメイク:NANA)
2月13日(日)スタート
毎週日曜夜10:00ー11:00
WOWOWにて放送・配信(全10話)
(WOWOWプライムにて第1話無料放送、WOWOWオンデマンドは無料トライアル実施中)
https://www.wowow.co.jp/drama/original/jyashin/