女性アスリートを支援する活動をスタート。「いろんな人を巻き込んで広げていきたい」
——潮田さんは昨年、女性アスリートのサポートを担う団体「Woman's ways」を設立しています。この経緯は?
実は取材がきっかけだったんです。女性アスリートの抱える問題で切っても切り離せない、月経に関する現役時代の悩みや経験を語る対談があったんです。「正しい知識を身につけてコンディションを整えられたら、もっといいパフォーマンスができるのでは」という結論で終わったんですけど、家に帰ってからも「私が現役だったころは、正しい知識を得る機会はほとんどなかったな」と何となく考えていて。実は私、19歳のときに子宮内膜症になったんです。そこで初めて婦人科へ行き自分の体と向き合ったんですけど、それまでは我慢一択だったんですよね。もっと知識があって、女性ホルモンの周期に合わせてトレーニング方法を変えていたら、もしかしたらパフォーマンスが上がっていたかもしれない。上がらないにしても、もっとストレスなく過ごせたかもしれない。でもそれって、自ら知ろうと思わないとなかなか得られない知識です。そういう問題に取り組む団体があるといいなと思い、立ち上げました。
——設立メンバーは杉山愛さん(テニス)・狩野舞子さん(バレーボール)・中川真依さん(飛び込み)と、有名女性アスリートが集結しています。潮田さんから声を掛けたのでしょうか?
まずは取材の対談相手だった中川真依ちゃんに電話をしました。私と対談したことによって、彼女は巻き込まれちゃったんですけど(笑)。「あのときに話したこと、すごく大切だと思う。団体を作りたいんだけど、一緒にやってくれないかな」と伝えたら、快諾してくれました。杉山愛さんは昔から仲良くしていただいて、出産・妊娠・育児などいろんなことを相談してきた仲なので、ぜひお力を借りたいとお声掛けしました。狩野舞子ちゃんは、私と同じように「女性アスリートの体に関する活動をしたい」と考えていると聞いたので、「一緒にやりましょう」と誘ったんです。もっといろんな人を巻き込んで、活動を広げていきたいですね。
——現在は、講演活動もやっているとか。
はい。それも対象は女性アスリート限定ではなく、例えば先日講演した市立船橋高校の体育科の生徒は7割が男性でした。多感な時期の男の子に伝わるのか不安でしたが、ちゃんと聞いてもらえてうれしかったです。セミナーを続けていて分かったんですけど、みんな「監督やコーチに聞いてほしい!」と言うんですよね。
——指導者の理解がほしい、と。
そうです。自分のことを知るのも大事ですが、それを上の人に言えないことが多いんです。監督とか、それこそ会社で言うなら上司とか、まずはそういう立場の男性の方々に知ってもらわないと。男子高校生に対する講演でも、「いずれ社会に出たときに必ず関わりがあるから、女性の体について理解するのは重要なことだよ」と最初に伝えたら、みんな真剣に聞いてくれました。
――今後、仕事で新たにチャレンジしてみたいことはありますか?
この10年でキャリアを積んで思ったんですけど、新しいステージへ行く度に新たな目標が生まれて、どんどん興味の矛先が変わってくるんですよね。今まではバドミントンの楽しさを伝えられたらいいなと思っていましたが、「Woman's ways」という社団法人を作ったことで社会貢献も視野に入ってきましたし、これは結構な覚悟が必要です。仕事もして子育てもして、さらに社会貢献となると、もはやいっぱいいっぱいで(笑)。新たなことにチャレンジしたいというよりも、今の活動を充実させたいですね。ただ自分がいかに社会に貢献できるかは、一つのテーマとして今後も続いていくと思います。
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