ドラマ、映画、舞台と活躍し、演技の幅を広げる
ダンスに懸命に向き合った経験は、演技にも生きる。筋肉とともに脂肪がある“相撲の体”を作るため、クランクイン前に2カ月かけて7kg増量して挑んだ本作では、相撲にかける穂香の思い、また、亮太たち相撲部のメンバーをしっかりと統率して稽古に励む姿が重なり合うようだ。
本作についてのインタビューで、「学生時代はずっと部活をやっていたので目標に向かって練習するとか、頑張ることは割と得意なのかなと思っています」と語った伊原。それが穂香という役を立体的にし、青森の方言を話す素朴さがありつつ、ようやくできた仲間たちとの絆や、挫折、恋模様といった青春真っただ中の姿を好演している。伊原が全身で穂香というキャラクターを魅せている。
女優デビューもダンス経験を生かすことのできる連続ドラマ「チア☆ダン」(2018年、TBS系)だった。その後、単発ドラマへの出演を経て、2019年にゲームを原作にした「明治東亰恋伽」で連続ドラマ&映画初主演を果たした。そして同年には、連続テレビ小説「なつぞら」(NHK総合)で、広瀬すず演じる主人公の職場の先輩で、やがて親友のような存在になる人物に扮(ふん)し、フレッシュさと親しみを感じる演技で評価を得た。
2020年からは毎年舞台でも活躍しており、演技の幅を広げている。2021年放送のSPドラマ「エアガール」(テレビ朝日系)出演の際のインタビューでは、「もっともっとお芝居を勉強して、歌って踊れる女優になりたいです」と目標を語っていた。2020年にヒロインを務める予定だったミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー Season3」は新型コロナウイルス感染症拡大のため中止となったが、2021年のミュージカル「ロミオとジュリエット」でWキャストの一人としてヒロインのジュリエット役を射止めて見事に務め上げた。
“バブリーダンス”で注目されてから5年。女優デビュー前、そしてデビュー後の経験を着実に実のあるものとして成長を続けている。
穂香の夢はかなうのか!? 伊原が見せる変化も見どころ
本作は12月14日(水)配信を含めて残り2話。伊原がW主演の一人として相撲部の物語の30年後が描かれるのは、時代の変化を捉えたことによる。
映画「シコふんじゃった。」では女子マネージャーが危機を救うべく男子に扮装して土俵に上がる場面があったが、今回は女子の大会が男子と同じように描かれている。ただ、穂香は幼い時に地元の大会で優勝しても、全国大会の会場となる両国国技館の土俵が女人禁制であることから出場できなかったという悔しい思いをしている。
第3話で「将来、相撲をオリンピック種目にする。そのときは男子も女子も同じ土俵で相撲が取れるようにしたい」という青木の夢が語られたが、穂香にとっても夢だ。14日配信スタートの第9話予告によれば、亮太たち男子部員が挑む団体戦で優勝すれば、男女混合戦に出られる可能性があるとのこと。
男女が同じ土俵に立つという大きな目標に向かうクライマックス。亮太ら男子部員だけでなく、桜子(高橋佳子)という女子部員も増え、最初は「怒っている?」と聞かれるほどだった穂香がキュートな笑顔も見せるようになってきた。第8話では女子の大会で負けて今年度の試合は終わったと思っている穂香が、このあとどう仲間たちと過ごしていくのか。伊原が表現する変化に注目しながら、最後まで見届けたい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/sumo-do-sumo-dont
▼ ディズニープラス特集ページはこちら