
12月19日放送の「エルピス―希望、あるいは災い―」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)第9話は、「村井回」と言っても過言ではなかった。村井(岡部たかし)史上最大の感情の爆発を見せ、その姿に恵那(長澤まさみ)は自分を重ねて涙を流し、失いかけていた「希望」への情熱が刺激されたようだった。
村井は拓朗に、大門副総理の娘婿を紹介
この作品は、アナウンサー・浅川恵那と彼女に共鳴した仲間たちが、連続殺人事件のえん罪疑惑を追う中で、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く社会派エンターテインメント。作品中で扱われている事件は、実在の複数の事件から着想を得ている。
また、タイトルの「エルピス」とは、「希望」とも「厄災」とも訳される古代ギリシャ神話に出てくる言葉。真相に迫っていく過程で恵那らはさまざまな「希望」を見い出すが、自身やその周囲に「災い」も降りかかる。“えん罪の再調査”というパンドラの箱を開けてしまった彼らが行き着く先はどちらなのか…という意味が込められている。(以下、ネタバレを含みます)

村井は、フリージャーナリストになった拓朗(眞栄田郷敦)に大門副総理(山路和弘)の秘書で娘婿でもある大門亨(迫田孝也)を紹介する。村井曰く、亨は「クソ真面目で、無駄に正義感が強い男」。村井は報道部にいた当時、大門の弱点を聞き出せるのでは…と亨の元に日参していた。その甲斐あって、「大門が派閥の議員のレイプ事件をもみ消した」という亨の内部告発の証言を撮ることに成功。だが、放送直前で上層部が尻込みして、VTRはお蔵入りに…。そして亨もおじけづいたのか「やはり放送しないでほしい」と言い始めてしまった。どうにか放送できないかと上層部と抵抗を続けた村井は、突然「フライデーボンボン」に飛ばされたのだった…。
村井、自分の“財産”を拓朗に託す
潰されたにせよ、世間を揺るがすレベルの大スクープを自分の手で取ったことは村井の誇りで、そのVTRは誰にも渡したくない、墓場まで持っていく、と語気を強めて拓朗に語った。が、その直後、VTRをカバンから取り出し、拓朗に「やるよ」と渡した。決して正義感からではない。村井は、自分からは消えてしまった情熱を拓朗に感じて託したのだろう。
VTRを見た拓朗は、これまでえん罪疑惑の真相解明をことごとく潰してきた大門をこれで追いやることができると思い、亨に改めてこのもみ消し事件を世間に知らせる許可を取った。亨は加害者側に付いてしまったことをずっと悔やんでいたと言い、大門の娘でもある妻に離婚届を送り、事務所も辞めたから、もう何のしがらみもなく拓朗に協力できると告げた。

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