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“失語症の少女役”で繊細な演技 名子役・志水心音が感情の変化を見事に表現<ガンニバル>

2023/01/14 11:10

大悟(柳楽優弥)に肩車をされる、ましろ(志水心音)「ガンニバル」第4話より
大悟(柳楽優弥)に肩車をされる、ましろ(志水心音)「ガンニバル」第4話より(C) 2023 Disney

柳楽優弥主演のヴィレッジ・サイコスリラー「ガンニバル」の第4話『視線』が1月11日に配信。第4話では、第3話の回想シーンで明らかになった、過去の大悟(柳楽)による被疑者射殺事案を目の前で“体験”したことで失語症になり、声も表情も失ってしまった大悟の娘・ましろ(志水心音)に笑顔が戻り、村を訪れて以来ほぼなかった家族団らんの様子が描かれた。これまで全体を通して不気味なヴェールに包まれていた物語につかの間の癒やしの時間が流れ、一瞬だったが、この作品では珍しくほっこりとさせられた。(以下、ネタバレを含みます)

同作は、2018年に連載がスタートした二宮正明のサスペンスコミック「ガンニバル」を実写ドラマ化したもの。都会から遠く離れた山間にある供花村(くげむら)が物語の舞台で、事件を起こして村の駐在として左遷された警察官・阿川大悟が主人公。一見、犯罪とは無縁に思われるのどかで平和な村だが、一人の老婦人の奇妙な死をきっかけに、大悟は少しずつ村の異常性に気付いていく。

主人公である、狂気の世界へと誘われていく警察官・大悟役を柳楽が務め、供花村を支配する後藤家次期当主・後藤恵介役を笠松将、大悟の妻・阿川有希役を吉岡里帆、村のリーダー格のさぶを中村梅雀が演じ、毎週水曜にディズニープラスの「スター」で世界同時配信中だ。

ましろの思いを尊重して再び供花村へ

「ガンニバル」第4話より
「ガンニバル」第4話より(C) 2023 Disney


大悟の前任者・狩野治(矢柴俊博)の事件が一応解決を迎え、阿川家に環境を変えるチャンスが訪れる。後藤家との関わりを危惧した署長から、「別の村の駐在にならないか?」と打診されたのだ。

真犯人とにらむ“あの人”への未練もありつつ、大悟もそれがいいかもと思っていたように感じたが、妻・有希は「(娘の)ましろに聞いてみる」と言って、「供花村に帰りたい?」と聞くと、ましろはゆっくりとうなずいた。一番環境のことを考えてあげなければいけないましろが“残りたい”というのであれば、答えは言うまでもない。喋れないましろのために「お話ノート」を用意してくれていた学校のみんなと離れたくないという気持ちがその表情から伝わってきた。

今作で、回想シーンの快活でよく笑う姿、失語症になってから言葉を発せず、表情の変化もほとんどなかったが、徐々にだが笑顔が戻ってきた少女・ましろという難しい役を巧みに演じ、演技力の高さを見せている志水は、2014年5月18日生まれ、東京都出身の子役。

2歳の頃には「いないいないばあっ!」(NHK Eテレ)にコーナーレギュラーとして出演し、その後も“月9”ドラマ「監察医 朝顔2」(2020年、フジテレビ系)や大河ドラマ「麒麟がくる」(2020年、NHK総合)に出演するなど、キャリアを重ねている。

また、「SUPER RICH」(2021年、フジテレビ系)では江口のりこ演じる主人公・氷河衛の幼少期を務め、「面影ある!」「子役の子が江口さんに似てる」などと注目を集め、映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」(2021年)では、物語序盤に登場する手話を使う少女を演じた。

ちなみに余談だが、ましろパパ役の柳楽は2019年公開の映画「ザ・ファブル」第1弾に出演していた。このときは狂気じみた警察官どころか、狂気丸出しなゴリゴリのヤクザ役。当然共演シーンはないが、そんな共演者同士のつながりを探してみるのも面白いかも。

村人たちの“裏の顔”

「ガンニバル」第4話より
「ガンニバル」第4話より(C) 2023 Disney


そして第4話で阿川家は再び供花村に帰り、ようやく平穏な日々を取り戻した雰囲気。大悟は駐在として村の人たちの電気の取り替えなどもしてあげて、すっかり村の一員に。ましろも、まだ話せないが笑顔を見せるなど徐々に表情が戻り、大悟と有希の仲も良好。

このままハートフルなストーリーに…となるわけもなく、今度は後藤家以外の闇が。これまで阿川家を優しく迎え入れ、親切にしてくれた村のリーダー格・さぶ(梅雀)の“もう一つの顔”も描かれた。目に見える脅威である後藤家の陰に隠れてしまっていた感があるが、ここで本領発揮。さぶは、酒の席で情に訴えて安心感を与えたりしたが、大悟たちが何かをするたびにタイミング良く現れて、助言という名のおせっかいを焼いていく。

大悟が有希に感謝の気持ちを伝え、そのまま2人が抱き合って愛を確かめ合おうとするシーンがあるが、後藤家の人間がのぞきをして邪魔が入ってしまう。すぐに大悟が追いかけようとしたが、表に出るとさぶがいた。家の壁に書かれた“人殺し”の落書きを心配してくれるのだが、タイミングが良過ぎ。怪しいニオイがぷんぷん。親切に落書きを消す手伝いをしたかと思えば、阿川家に盗聴器を仕掛けてさらに見張りを強化するなど、ただの親切なおじさんではないことがここにきて明るみに出た。そう思って見ると笑顔も全部薄気味悪く感じるから怖い。

さらに、防犯のため大悟が家の前に塀を建てかけていると、やっぱりさぶが出現。そして「やめといたほうがええかも。小さな村はお互いの信用で成り立ってるから」と言い、村人たちを信用しているということを示せと暗に匂わせていうところがイライラさせる。大悟が思わずこぼした「めんどくせぇ」という言葉がさぶに火をつけてしまい、尾ひれがついた状態で大悟とさぶのひと悶着が村中に広がった。

下に続きます
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