松山ケンイチ、長澤まさみが、3月23日に都内で行われた映画「ロストケア」公開前夜祭舞台あいさつに、鈴鹿央士、坂井真紀、戸田菜穂、加藤菜津、柄本明、前田哲監督と共に登壇した。
松山「原作と出会って10年経って、やっと皆さまのもとへ届けられる」
本作は、作家・葉真中顕の第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を、「老後の資金がありません！」などを手掛けた前田哲監督が映画化したもの。弁護士でありながら42人を殺めた殺人犯・斯波宗典(松山)と、法のもとで彼を裁こうとする検事・大友秀美(長澤)の、お互いの正義をかけた緊迫のバトルが繰り広げられる。
公開日を明日に控えた今の気持ちを聞かれると、松山は「あと1日なんですけど、この原作と出会って10年経って、やっと皆さまのもとへ届けられると思うとうれしいです。たくさんの人に見ていただきたいテーマでもありますし、今日は楽しんでいただければと思います」と心境を答えた。
長澤も「ちょうど撮影していたのが、去年の今頃の時期でした。あっという間に映画になって皆さんの元にお届けできたような気がしています。手元から離れるのがさみしいですけど、たくさんの方に見ていただいて、この作品を味わってもらえたらと思います」と作品に対する思いを語った。
松山「俳優は、伝説は自分で言って作るものだから」
この舞台あいさつで、登壇者が客席の間を歩いてステージに登ったが、最初に登場した松山が2番目の長澤の手を取ってエスコートしたのに続いて、3番目に登場した鈴鹿が4番目以降の登壇者を迎える形でエスコート。MCからエスコートした理由を聞かれ、鈴鹿は「松山さんが『しなさい』って」と正直に答えるが、隣にいた松山に「俳優は、伝説は自分で言って作るものだから、『僕がそう思ったから、当たり前のことです』って言って」と言われ、「そうですね。やっぱり、当たり前のことかなと思って」と答え直し、会場からは大きな拍手が起こり、松山も“ヨシヨシ”という表情を見せた。
撮影中の印象的なエピソードとして、加藤が「撮影の序盤に、まだ松山さんとそれほど親しくできてなかった頃に、本番中にお腹がすいて結構大きい音が鳴っちゃったんです。そうしたら休憩中に松山さんがどら焼きを持ってきてくれて、『お昼休憩、まだまだ先だから、なっちゃん、これ食べな』って」と話すと、坂井は「目撃しました！ 優しいなって思いました」とその時のことを思い返した。
鈴鹿は「長澤さんと2人でいる時間が長かったので緊張感のある現場ではあったんですが、シーンの合間は健康トークとか、体について話してました」と話すと、松山から「おすすめの健康法を教えて」というアシストがあって、「僕はとにかく水をたくさん飲むことと、お腹を冷やさないこと。なるべく常温か温かいお茶を飲んでいただけるとうれしいです」と具体的に答えた。
長澤は「撮影中、ケンちゃんと会話をしなかったことですね。お互い立場が違ったりするので、いつの間にか当たり前のようにそうなってました。それと、お互い、そうしたいと思っていたので」と撮影時を振り返った。
柄本「長男(柄本佑)も次男(柄本時生)も松ケンファンで、僕も松ケンファン」
松山が「自分の中では親子の関係である柄本さんとのシーンは忘れられないものになりました」と、撮影での印象的なこととして答えると、柄本は「松ケンは、うちの家族でファンなんです。長男(柄本佑)も次男(柄本時生)も松ケンファンで、僕も松ケンファン。この人の最初の主演映画にうちの亡くなったかみさん(角替和枝)が出ていて、『いいのがいる』って言ってたんです。僕も1日(撮影現場に)行ったんですけど、何も言葉を交わさなかったけど、キャスティングの人のところに行って、『あれ、どこで見つけてきたの？』って聞いたのは覚えてます」と家族全員が松山のファンだと明かした。
そんな柄本との共演について松山が「僕の中では柄本佑として現場にいました。佑くんか時生くんか、どっちか悩んだんですけど、今回の作品でいうと佑くんだと思って、佑くんとしてやらせてもらいました」と答えると、柄本は「あぁ、そうですか。ありがとうございます」とうれしそうな表情を見せた。
長澤も、そんな松山の役作りについて聞かれると、「あ、佑くん！ って感じでした」と笑顔で答えた。
長澤「村上(宗隆)選手が決めてくれて、『すごい人だなぁ』って感動をもらいました」
“公開前夜祭”ということで“お祭り騒ぎ”に関連して、WBCの日本代表が優勝したことについてMCから質問されると、坂井は「最高です！」と岡本和真選手を意識した言葉で表現。加藤は「電車の中にいたんですけど、ケータイで見てて、『よし！』って言っちゃいました」と思わず声が出てしまったと明かした。
鈴鹿は「日本中の人を勇気づけてくれた大会だなと思いました」と感動したことを伝え、戸田は「人が集中してる時の顔ってすごく美しいというか、目力が焼きついてます」と大谷翔平選手の最後の登板の時の表情について語った。柄本は「怖くて見れないんですよね」と言いつつ、最終回はしっかりと見て、「いやぁ、本当にこんなことが起こるんだなと感動しました」と感嘆した。
長澤は「村上(宗隆)選手が決めてくれて、『すごい人だなぁ』って思いながら感動をもらいました」と決勝戦でホームランを打った村上選手を讃えた。松山は「もう完璧ですよね。全勝利なんで、記者会見も見てたんですけど、目がキラキラしてるんです」と絶賛しつつ、「ただ完璧に優勝したチームに勝った中日(ドラゴンズ)、すごくないですか！」と興奮気味に語った。
映画「ロストケア」は3月24日(金)より全国公開。
◆取材・文＝田中隆信
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
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