甲本さんのお芝居のすごさを肌で感じています
――これまでに何度も共演経験はあるものの、恋仲になる役どころは初めてだという甲本雅裕さんとのお芝居はいかがでしょうか?
いつも甲本さんのお芝居に引き上げてもらっています。
お互いにいろいろと背負った中年カップルが戸惑いながらも徐々に距離を近づけていく…という設定ですが、特に話し合いなどはしていないですね。ちょっとずつ間やトーンを変えても、お互い探り合うこともなく、打てば響くという感じです。
特に自分から何かを発信しようとしなくても、甲本さんと向き合ってせりふと目線を交わしていると自然とそういう空気が生まれてくるので、一緒に演じるシーンは本当に楽しいですね。台本で読んだ感じからさらに現場でどんどん肉付けされて膨らんでいくので、甲本さんのお芝居のすごさを肌で感じています。
――夫がいなくなってから7年間、恋愛もせずに娘を懸命に育てる母親を演じる上で大事にしていることはありますか?
私生活で母親になる前にも母親役を演じたことはあったのですが、自分が親になってみて初めて知る感覚ってたくさんあるんですよね。
今回は自分の子どもよりも年が上の子を育てている設定ですが、子どもに対しての接し方や距離感をリアルに感じています。やっぱり自分の子どもと重ねて見てしまうんですよね。
自分だけでなく子どもも絡んでくると、より動揺してしまう感じとか…。友美は夫に不倫相手がいたということにも揺らぐけど、不倫相手に対してよりもその人の持つ子どもという存在に気持ちがいってしまう。
そういう母親である自分の“子どもに対するリアルな感情”を大事にやっていこうと思います。
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