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沖縄映画・ドキュメンタリーの名作を上映する映画祭開催!「その名は、カメジロー」「ナビィの恋」も上映

2019/06/21 08:00

キタコマ沖縄映画祭実行委員会インタビュー


映画祭事務局の高山正樹さん、宇夫方路さん
映画祭事務局の高山正樹さん、宇夫方路さん


以下、「第5回喜多見と狛江で小さな沖縄映画祭+α(色んなライブ)」事務局(実行委員会)の高山正樹さん、宇夫方路さんに映画祭会場であるM.A.P.で話をうかがった。

――「沖縄映画祭」を始めたきっかけについて教えてください。

高山:そもそもは、「壊された5つのカメラ」(2011年)というパレスチナの映画があるんですが、これを上映したいと思ったことがきっかけ。アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品ですが、映画祭の立ち上げメンバーがこの映画の監督さんと友達でね。

ここ(M.A.P.)で飲んでいた時、「上映できるよ」って彼女が言うから、え?アカデミー賞ノミネート作品を上映できるの?ってなって、だったら映画祭もやれるよねと思って始まったんです。でも、アカデミー賞にノミネートされたとしても、ドキュメンタリー映画にお客さんは来ないってことがよく分かりました(笑)。

だから2013年に始めた映画祭は、「沖縄映画祭」ではなくて、「小さな小さな映画祭」というタイトルだったんですよ。(「第1回喜多見と狛江の小さな小さな映画祭+α<ライブあり芝居あり>」のパンフレットを示しつつ) このゴーヤーのマークが付いているのは沖縄関連作品ですけどね。

――第1回で沖縄の映画を多く上映したことには理由があるのですか?

高山:たまたま(笑)。自分がずっと沖縄に関係することをやってきたので、知り合いのツテを頼りに作品を集めた結果、沖縄関連の映画が意外と多かった。特に沖縄の映画をいっぱい集めようと思ったわけではないんですが、たまたま集まった作品に沖縄の関連作品が多かったということ。そんなこんなで、2015年から「沖縄映画祭」やろうよということになって、年に2回も映画祭をやることに。

――年に2回も映画祭を開催するなんて、それは大変ですよね。

高山:だんだん本祭の方の作品数が減ってきて…。

過去の上映の様子
過去の上映の様子


――会場がここ(M.A.P.)以外に広がったことに理由はありますか?

高山:本祭の1、2回は、全部ここで上映したんですけど、障がい者の人たちとの関係ができる中で、この会場に車いすで来てもらって、階段を上がって中に入ってもらうのは危ないなと思って。車いすの人にも見てもらいたいと考えて公民館なども使うようになりましたね。

複数の会場で開催すると、移動するのがすごく大変でね。機材をセッティングして上映して、持って帰って、次の日のために準備して、移動して…の繰り返し。もうやめよう!って(笑)。今回は期日を分けて、合理的にやります(笑)。

――このスタッフ数で1日2会場って…。

高山:信じられないでしょ?(笑)。地域を巻き込んでいろんな会場でやろうって、5会場でやったこともある。この時が一番疲れました。もう絶対やっちゃいけない(笑)。

――どんな作品を上映するか、どんな映画祭に仕立てるかという点で意識していることはありますか?

高山:ドキュメンタリーばかりを上映すると、どうしたって主義主張が生じる。主義主張が悪いとか、色が付いている映画が悪いとは言わないけど、ステレオタイプの沖縄観を打破しようとなると、ドキュメンタリー映画ばかりというのはどうなのかなと。

沖縄って戦争をテーマにしたドキュメンタリーが映す面ばかりじゃないよって言うことを伝えたい。いつも大きな紙に表を作って、現代~戦争~時事問題だとか、文化・自然とか、八重山・宮古とか、付箋に書いて並べてるの。それを見て、このジャンルが薄いね、何かないかな?って考えるという選び方で決めていくんです。

決して、バランスを取りたいとか、偏らないという意味ではなくて、いろんな沖縄の姿を見せたい。沖縄の政治的な運動に関心のある人、沖縄音楽が好きな人、沖縄は海がキレイでいいと思っている人、そういう人にたちに、沖縄ってそれだけじゃないよということを伝えたい。

同じ作品数の映画祭を下北沢や渋谷でやればもっと来場客も増えて、もうちょっとお金も入ってくるし、やりたいことができるとも思うけど、普段映画をあまり見ないこの近所の人が、「遠くだったら行かないけど、ここでやるなら行く」、来てみたら「へー、沖縄ってそんな場所なんだ、知らないことがいっぱいあったな。来てみて良かったな」と思ってくれるような映画祭を目指します。小さな町で数多くの作品を集めて映画祭やるということにこだわりたい。

過去の映画祭より
過去の映画祭より


――「ステレオタイプの沖縄を越えて…」というキャッチコピーには、一つの作品を目当てにするのではなく、いろんな作品を見てほしいというメッセージを感じます。

高山:単発の上映で、沖縄のことを知ってもらうのは無理なんですよ。主義主張があって。この映画良いですよというのがやりたいわけじゃなくて、皆さんにいろんなものを見てもらって、いろんな沖縄を知ってもらって、その上で考えてもらいたいという思いがあります。

また、単発で上映してもお客さんを呼べない映画もあるでしょう。ということは必然的に映画祭にするしかない。なおかつ数は多い方が良い。

だからチラシも重要。チラシを広げて見て、「こんな映画もあるんだね」って思ってくれること、沖縄をいろんな面から描いた映画がこんなにあるんだって知ってもらうことも重要だと思っているんです。

下に続きます
「第5回喜多見と狛江で小さな沖縄映画祭+α」
2019年6月27日(木)~30日(日)、7月4日(木)~8日(月)、10日(水)、14日(日)、15日(月・祝)
上映スケジュールは映画祭公式HPを参照ください。
■映画料金:前売1,000円、11枚綴1万円、学生500円(当日学生証提示)、75歳以上500円(保険証など年齢の確認できるものを提示) 当日券1,200円
※11枚綴は複数人で共有可能
※満員の際は事前予約優先
★特別企画料金
前売1,500円、当日1,700円
■会場:M.A.P.(東京都狛江市岩戸北4-10-7-2F 島田歯科2F)、中央公民館(東京都狛江市和泉本町1丁目1番5号)
※できるだけ予約を推奨。混雑の場合は予約者から入場。満員の場合入場できない場合あり。映画祭facebookのイベント・ページなどへの投稿でも予約可
■主催:喜多見と狛江の小さな映画祭+α実行委員会
■問合せ:映画祭事務局 TEL:03-3489-2246
■Mail:mpro@mbh.nifty.com(担当:うぶかた)
■公式WEB: http://kitamitokomae-artfes.com/

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画像一覧
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  • 「第5回喜多見と狛江の小さな沖縄映画祭+α」チラシ
  • 【写真を見る】「第5回喜多見と狛江の小さな沖縄映画祭+α」ラインナップ
  • 大ヒットドキュメンタリー映画「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」
  • 1999年公開、中江裕司監督の大ヒット映画「ナビィの恋」
  • 2003年の中江裕司監督映画「白百合クラブ東京へ行く」
  • 古琉球の歴史に触れられる「浦添ようどれ」
  • 「うんじゅぬ花道」
  • 映画「南島残照 女たちの針突(ハジチ)~沖縄・宮古諸島のイレズミ~」
  • 映画「海辺の生と死」
  • 映画「沖縄スパイ戦史」
  • 映画「Mother」
  • 映画「沖縄エロス外伝 モトシンカカランヌー」
  • ドキュメンタリー「聾唖者達の沖縄戦」
  • 沖縄県産映画「琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。」
  • 事務局の高山さんが大好きな映画「ハブと拳骨」
  • 辺野古住民の日々の暮らしを撮影した映画「辺野古抄」
  • 「カメジロー・沖縄の青春」
  • 琉球放送制作ホラードラマ「オキナワノコワイハナシ」
  • 琉球放送制作、琉球列島 生命のシンフォニー第1回「やんばる奇跡の森の物語」
  • 琉球放送制作、琉球列島 生命のシンフォニー第2回「奄美大島 水めぐる島の物語」
  • 琉球放送制作、琉球列島 生命のシンフォニー第3回「西表島 海と生きる森の物語」
  • 琉球放送制作「新九州遺産 稲作りの島 西表島」より、西表島の豊年祭プリヨイの様子
  • 沖縄テレビ制作「菜の花の沖縄日記」。石川県から沖縄のフリースクールに入学した女性の日々
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  • 沖縄テレビ制作「島の美よう室」
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  • 沖縄テレビ制作「むかし むかし この島で」。米軍によって撮影されたフィルム映像をたどる
  • 琉球・八重山フィーチャーユニット・Milk(弥勒)。唄三線のyayo、ピアノ・コーラスのmeguによる2人組
  • オープニングは、琉球舞踊ショー
  • 豊岡マッシー
  • 写真家・島尾伸三氏
  • ドキュメンタリー作家の森口豁氏
  • お笑いコンビ・しゃもじ
  • 映画祭事務局の高山正樹さん、宇夫方路さん
  • 会場MAP
  • 過去の上映の様子
  • 過去の映画祭より
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