真木よう子「傷つけてくる人に割く時間はない」人間関係の幸福のカギは“鈍感力”
「いちいち突っかかっていたら自分も疲れちゃう」
ただ人間関係において、それを気にしすぎると関係性が逆に複雑になることも。その塩梅は「難しい」と言い、「公認心理師でない限り、細かな動作を注視してみるのは、本当に愛している人だけになりますよね。全員にやったら大変なことになっちゃいますから」と苦笑いする。
そんな真木が人と関わる上で大事にしているというのが、オードリーヘップバーンが口にしていた「幸福とは、健康と物忘れの早さ」という言葉だ。
「30代になってから、気にしなくていいことは気にせず、どうでもいいことは早く忘れるようにしています。自分を傷つけてくる相手に、いちいち突っかかっていたら自分も疲れちゃうじゃないですか。そんな人に大切な時間を割く必要はない。物忘れの早さ、いわゆる“鈍感力”は生きていく上で大事だし、身につけるべきものだなと思っています」
20代のときは気持ちが切り替えられず、人との関わりで悩むことも多かったという真木。それに気付いてからは、自分に言い聞かせて徐々に気持ちをコントロールしていったという。
「どうしても自分の中で消えない傷もあったりしましたが、やっぱりそれを考えている自分の時間がかわいそうだと感じ、愛している人が目の前にいるのに、なんでそんなことを考えなきゃいけないんだろうと考えるようにして。
『そういう人は相手にしない』というのを繰り返しやっていたら、わりと生きやすくなりました(笑)。仕事柄、そういったスイッチの切り替えは、もしかしたら普通の方よりも得意だったのかもしれないですね」
SNSなどで様々な意見が飛び交う現代。そこにある自身への評価は「見ません」と笑顔で明かす。
「“真木よう子”で調べたら、ろくなことが書かれてないと思うので、絶対見ないようにしているんです(笑)。でも、スタッフをはじめ周りが見ていて、それで耳に入ってくることも。彼らは仕事柄見るのは当たり前だし、立場上それを伝えてくるのは仕方ないことだけど、変なところを拾うこともあるので、そこだけは『気をつけてね』と言いたいですね。
素晴らしいと思っても、わざわざ文字にしてつぶやかず、頑張れって言わない人もたくさんいるじゃないですか。ロケなどで、SNSをやってなさそうな地方のお年寄りの方に握手されたときに、こういった層の人たちに好かれているんだったら、それでいいなと思います」
由紀は公認心理師として人を助けていくが、真木自身はどうなのか。
「そんなにたくさんの人の相談は受けませんが、近しい人や家族が悩んだり、何かでつまずくようなことがあったら、必ず助けたいです。でも私自身は、どちからかというと助けはいらないですね」