芳根京子『演じていて胸が苦しくなりました』、町田啓太ら「Akiko’s Piano―」出演者インタビューを紹介!
河本明子役・芳根京子インタビュー
――これまで「べっぴんさん」などでも、戦中戦後を生きた女性を演じられましたが、戦後75年たった今、当時を生きた女性を演じることの意義や、難しさについて、どう感じていらっしゃいますか?
私は東京出身なので原爆については身近に被害にあわれた方がいなかったのですが、この作品に参加して、知っていると知らないとではすごく違うなと改めて感じました。
実際に経験した方がいらっしゃる出来事を演じる怖さというものは感じますが、どんどん知らない人が増えていくなかで、こうして作品に残せること、そしてこういう作品に参加させてもらえることは、自分の人生においてもすごくありがたいことだと思います。
――明子さんを演じて感じたことや、明子さんに共感した部分を教えてください。
今の時代は自由ですよね。いま新型コロナの影響で不自由になっていることを不愉快に感じるのは、今までがすごく自由だったから。当たり前の時間、当たり前の日々がどれだけ貴重なものかというのを、これまでも言葉にはしていたけれど、実感、体感したことがなかったです。
ピアノが弾きたい時に弾けないとか、トマトが食べたい時に食べられないとか、友達と遊びに行きたいのに行けないとか…すごく等身大の19歳の願いが叶わない時代だったというのは、演じていて胸が苦しくなりました。
――ドキュメンタリー部分では実際に広島の町も訪れますが、これまで広島を訪れた経験はありますか?
ほとんど訪れた事が無かったので、広島に行き、原爆ドームなどを一回見てからドラマの撮影にのぞみたいと思っていたのですが、新型コロナの影響で行けなくなってしまいました。そのまま撮影に入ることになってしまい、悔しかったです。
ドキュメンタリー部分で実際に広島を訪れ、明子さんが居た場所を自分の足で回ったときに、どういう感情になるのか。明子さんの人生を一度演じただけですが、自分が体験したかのような気持ちでその場所に行けるのは貴重だなと思います。
――視聴者へのメッセージをお願いします。
東京出身でいま23歳の私には、言葉にするのが難しくてすごくもどかしいんですけれど、被爆したピアノの存在や、被爆して19歳で亡くなった明子さんという女性の存在を、とにかく知って欲しいと思います。
やはりわたしと同世代の人たちも引き継いでいかないといけない出来事ですし、この作品に参加させていただいたからこそ感じ取れている部分はあると思うので、言葉で説明するよりも作品を見て頂けたら全部伝わるのではと思っています。
8月15日(土)夜6:00-7:30
NHK BSプレミアム、NHK BS8Kにて同時放送
脚本=田中眞一
出演=芳根京子、田中哲司、真飛聖、町田啓太ほか
制作統括=樋口俊一、坂部康二、山本喜彦