<吉岡秀隆>17年ぶり倉本聰とタッグ「北の国から」運動靴のエピソードも
今回のストーリーに“運動靴”がキーワードで登場
――「やすらぎの刻~道」の出演オファーを受けたときのお気持ちを教えてください。
実は夏ごろ、約10年ぶりに富良野にいる先生を訪ねてお酒をいただいたんです。酔っぱらってしまってあまり覚えていないのですが、とてもいい時間を過ごしました。…で、その後、少し長めの旅を終えて東京に帰ってきたら、“こういうこと”になっていて…(笑)。
だからオファーというよりは、もう断れない、という状況でした(笑)。でも、先生の脚本が本当に素晴らしくて、かつ僕のことを考えながら書いてくださったことがとても光栄で、本当にうれしかったですね。
――今回の脚本を読んで感じたことは?
僕が登場するのは2日間分、つまり計2話なのですが、誠という人間の過去に一体何があったのか、さらにはあゆみさん演じる母・玉子さんとの関係性まで、あれだけの分量の中で見る人の想像をかき立てるところが素晴らしいなと感じました。それはもう、読んでいて鳥肌が立つほどでした。
また、今回のストーリーには“運動靴”がキーワードとして登場するのですが、「北の国から」の運動靴のエピソードは僕にとって特別な思いがあるんです。「うわ~先生!! ここで運動靴を出してくるとは~!」っていう感激もありました(笑)。
――誠役を演じるにあたって大切にしたところは?
彼はお母さんのことが大好きで、根は優しいヤツなのだろうなと思いつつも、どこか“怖さ”を潜ませることを意識しました、誠はもしかしたら誰かに狙われていて、人目を忍んで逃げているのかもしれない。そういう境遇をせりふのひと言ひと言から想像させられる人物だったので…。
また、今回は、すでに出来上がっているチームを“乱さないように”という思いと、“ちょっとは乱したいな”という、相反する思いが胸にありましたね。
――いしだあゆみさんと久々に共演した感想は?
いやもう、ただただしびれました!だって、(いしだ)あゆみさんは、僕の俳優人生のバックボーンにいる大切な存在“黒板純”の、大好きなお母さんですから…!やはりいろいろな思いが込み上げましたね。今回も、どう芝居をぶつけても受け止めて返してくださるので、やっぱりあゆみさんはスゴイなと実感しました。
――誠という存在が、この物語で果たす役割とは?
誠という存在を通して玉子さんの過去が垣間見えて、それがまたドラマの深みにつながればいいなと思っています。「やすらぎ」ファンの方々だけでなく、皆さんに倉本作品はひと味違うぞっていうことを改めて感じていただけたらうれしいですね。いや、ひと味どころじゃないですね。ひと味もふた味もです(笑)。