「大河ドラマなりのお芝居をしたい」
――これまでにも大河ドラマのご出演経験はありますが、今回は扱っている時代が近代ということで、これまでと何か違う点はありましたか?
大河っていうと入り時間が早くて、かつらをつけた後に衣装を着て、「今日は鎧をつけるか、あ、兜もあるんだ」みたいな肉体的な負荷をある程度背負って、扮装をして歴史上の人物になるという感じでしたが、今回はそれがないですよね。特に今回は後半、僕は白髪のまま出演していましたし…。
また、宮藤さんの脚本がホームドラマ的なところがあるので、会話のテンポもあれば当然笑いもあるし。
脚本をもらった段階で声を上げて笑うというのは今までの大河ドラマにはないことだったので、そういう意味ではすごく肩の力を抜いて楽しめた大河ドラマでした。
でもそれでは「何が大河ドラマなんだろう」って。
出演する側としては朝ドラ(連続テレビ小説)とも違うし、土曜ドラマとも違うし、やっぱり歴史のある景色をずっと見せてくれるのが大河ドラマだなと。
それが関ヶ原なのか、明治維新なのか、ということになると思うのですが、僕らは何を背負っているのか、というとやはり戦争だなと思います。第二次世界大戦を経て、そこにはオリンピックがあって、そして無くなって。そこから十数年経って開催する。本当に今に繋がっていますよね。
歴史というのは現代に繋がっている、今自分のいるところというのを意識して、大河ドラマなりのお芝居をしたいなということは演じる上で心掛けていました。