<試写室>「M 愛すべき人がいて」田中みな実“礼香”のあざとくない“接近戦”にゾクゾク
主観のレビュー
第1話のレビュー公開後、同僚から「あゆ好きだったんだね、意外だわ」的なメールを結構な数もらった。
それもそのはず、近年は浜崎は浜崎でも浜崎香帆(偶然にも福岡県出身)ばかり追い掛けているためなのだが、前回も書いたように、やはりわが青春のヒロインは浜崎あゆみ。
ファッションや歌声、ビジュアル面はもちろんのこと、当時のファンが大いに共感したのは彼女が紡ぐ歌詞の世界。
劇中のマサのせりふにもあるが、浜崎先輩の歌詞はすごく難しい言葉を使っているわけではないけど、体に染み渡るような不思議な魅力を感じるものが多い。
個人的には「『イイヒト』って言われたって『ドウデモイイヒト』みたい」(「Boys & Girls」より)とか、「ひとりぼっちで感じる孤独より ふたりでいても感じる孤独のほうが 辛い事のように」(「SURREAL」より)とか、当時なるほど…とズシンときたことを覚えている。あれ、悲しくなってきた。
さて、第3話。アユがいよいよデビューに向けて大きく動き出すのだが、その一環として作詞に挑戦するところが描かれる。マサがアユのためにデモ音源を選んでいるくだりで、聞き覚えのあるメロディーが流れてくるとやはり胸アツだし、それを受けて作詞し、曲に乗った音楽が流れるところもたまらなく激アツ案件。
その前に、社長や役員たちの前で大見えを切るマサとアユの会議室のシーンも見どころ。冷静に考えれば、「え? マサ、強引だよ。マサ、何言ってんの…?」という印象を受けるものの、それはパンピー(一般ピープル)の考えなのか。
“未来をつくる人”というのはこれくらい強引というか、いい意味で地元じゃ負け知らずな“独り善がり”な面がないと駄目なのかもしれない。
そしてそして、いよいよ本領発揮の礼香=田中みな実。アユが初めて「A VICTORY」を訪れた時の大物感漂う風貌にも驚いたが、それをも食っちゃう礼香の“冷たい迫力”。
アユに顔面すれすれの至近距離でしゃべりかける場面なんて、礼香が眼帯をパッカーンした時にアユをダ●ソン並みの吸引力で吸い込んじゃうじゃないか、ってくらいの迫力。
あと、「許さない~~~~~!」の伸びやかな低音ボイスよ。あれ、この人ってもともと女優だっけ? 歌手なんだっけ? と、一瞬分からなくなったほど。こんな姿を見せられたら、あざとくても何も悪くないです、と誰もがひれ伏しそうだ。
マサとのシーンでは、「メモリー・オブ・マサ!」の出し方も鳥肌。ねえ、怖いよ。ひたすらにセクシーだけど、怖いよ。もはや秘書じゃないよ。だが、それがいい。鈴木おさむ×水野美紀のタッグに似た、ゾクゾク&ワクワク感。
早くも婚姻届が飛び出しちゃっているけど、間違いなく、この後もますます激しくなりそう。
その他、真ん中分け外ハネヘアースタイルのみんな大好き流川ちゃん(白濱)。心なしか髪形が「M」に見えたのは気のせいかもしれないが、気のせいでは済まない刺激強めのシーンが飛び出しちゃう。
いずれにしろ、第3話も“poker face”で見られる人はたぶんいないでしょう。
文=人見知りシャイボーイ