おしんのあらすじ一覧
おしん(乙羽信子)は、店を大きくしてセルフサービス方式に切りかえることを決意し、自力でその計画を着々と進めていた。昭和30年当時の日本にはまだ前例が少なかっただけに、セルフサービス方式の店が成功するかどうか不安も大きかったが、店のことよりもおしんを悩ませていたのは、仁(山下真司)の結婚問題だった。
田倉商店の増築工事が始められる。セルフサービス方式に踏み切ったおしん(乙羽信子)は、今まで通り古い店で魚と野菜の商いを続けながらも、新しい商売の勉強に夢中になっていた。仁(山下真司)の結婚がからんだ新しい店の出発にはさまざまな問題があったが、おしんは店への期待から若い頃のしたたかさをとり戻していく。
駅前の魚と野菜の店も繁盛し、おしん(乙羽信子)は「これで食べていける」と胸をなで下ろす。当時まだ未知数だったセルフサービス方式の店に切り変えることは大きな賭けだったが、おしんは仙造(長門裕之)に対する意地でそれを決意し、見事に成功させた。そして昭和30年初秋、増築の起工式がささやかに行われることに。
おしん(乙羽信子)は浩太(渡瀬恒彦)に保証人になってもらい、銀行から金を借りて自力でセルフサービス方式の店へ切りかえることに。だが、それを知った仁はおしんと仙造(長門裕之)の間で板ばさみになってしまう。初子(田中好子)はおしんの思いを理解しつつも、仁と道子の結婚で起きるトラブルを予見し気が重くなっていた。
おしん(乙羽信子)は、仁(山下真司)の結婚相手・道子(田中美佐子)と、父親の仙造(長門裕之)に初対面。だが、自分の腕一本で生きてきたおしんにとって、仙造の態度は自分の城に土足で踏み込まれるようなものだった。一方、初子(田中好子)は道子と仙造を頼らずに、どうやって店の改装資金を工面するのか不安を抱く。
昭和30年当時、店にセルフサービス方式を採用することは大きな賭けだった。だが、おしん(乙羽信子)は夢を託して思いつめている仁(山下真司)の情熱にほだされ、採用することを決める。そんな中、仁の結婚相手・道子(田中美佐子)と父・仙造(長門裕之)があいさつに訪ねてきたが、おしんは仙造のずうずうしい態度に不信感を抱く。
おしん(乙羽信子)は、仁(山下真司)が百合(丘山未央)の気持ちを踏みにじり、自分の知らない女性と結婚しようとしていることをどうしても許せずにいた。仁が自分の期待を裏切るような生き方をしていたことに大きなショックを受けたおしんは、仁に「その女と一緒になりたいなら、この家を出て結婚しなさい」と言い放つ。
おしん(乙羽信子)は、百合(丘山未央)に対する仁(山下真司)の仕打ちを許せずにいた。仁と親子の縁を切ってでも、償いとして百合の面倒を見ようと決心したおしんだったが、翌朝、百合が田倉の家を出て行ってしまう。おしんは「百合が家を出たのは仁の責任だ」と激しく責める一方で、自分の育て方が悪かったと反省する。
おしん(乙羽信子)と初子(田中好子)は、仁(山下真司)から「結婚を約束した娘がいる」と聞き耳を疑う。しかも、その娘の父親が、田倉商店をセルフサービス方式に改造する費用を出してくれるという。そして、仁は百合(丘山未央)に「他に結婚したい女性がいる。だけど、百合が許せないならその人のことを諦める」と告げる。
おしん(乙羽信子)は、仁(山下真司)の嫁としてあらためて百合(丘山未央)の人柄を見直す。そして、百合が自分と同じ世界の女だったと感じ、心からいとおしく思っていた。だが、おしんが百合を仁の嫁にしたいと考えていた一方で、仁は別の女性との結婚話を進めていた。ある日仁は、おしんに理由を言わずに突然上京する。
おしん(乙羽信子)が駅前に店を移してから4年、田倉商店は生鮮食料品の店としてようやく安定し始めていた。一方、商売一筋に走り続けてきたおしんは、年頃になった仁(山下真司)の結婚はまだ遠いことのような気がしていた。そんな中、おしんは初子(田中好子)から仁と百合の関係を聞かされ、大きなショックを受ける。
昭和30(1955)年、世の中が急速に変貌していく中、田倉商店も変わろうとしていた。おしん(乙羽信子)は、仁(山下真司)の商売熱心な一面を評価する一方で、簡単に利益を上げることばかり考えすぎているとも感じていた。ある晩、初子(田中好子)は夜中に目を覚ました際、仁が百合(丘山未央)の部屋に入っていくのを目撃する。
雄(冨家規政)の戦友だった川村(斉藤洋介)が、不慮の死をとげる。川村がおしん(乙羽信子)に譲った土地は彼の形見としておしんに遺され、それがおしんと仁(山下真司)にとって新しい商売の足がかりとなる。4年後、おしんと初子(田中好子)と希望(塩屋智章)は、雄の命日に墓参りにやって来るが、そこに仁の姿はなかった。